今日の歌詞解説は What's New (ホワッツ・ニュー)。
早速いきましょう。
【 What's new? 】
「何か新しいことはありますか?」ですね。
そこから挨拶的に「何か変わったことは?」、「お変わりない?」といった意味になって、場合によっては単純に「やあ! どう?」といった軽いニュアンスになるようです。
【 How is the world treating you? 】
「世界はあなたをどんな具合に取り扱っていますか?」・・・何のこっちゃ、ですよね。
world は「世界」というよりは「世間、世の中」だと思います。
暖かく遇されているのか、冷たくあしらわれているのか、つまりは「あなたの生活や仕事などは、うまくいってますか?」ということでしょう。
【 You haven't changed a bit 】
「あなたは少しも変わっていない」。
bit は「小片、少し、少々」。
a bit で a little と同じような意味となります。
【 Lovely as ever, I must admit 】
完全な文を復元すると、 I must admit that you are lovely as ever ということになるでしょう。
「あなたは相変わらず素敵だと、私は認めなければならない」ですね。
【 What's new? 】
2回目の What's new ですね。
ここまで読んでくると、この歌の主人公にとっての「 What's new? 」は、「お変わりない?」とか「元気にしてた?」といった軽い挨拶よりはもうちょっと深い意味があるのだとわかって来ますね。
本当に相手の近況を聞きたい、知りたいのだと。
【 How did that romance come through? 】
「あのロマンスはどうなったの?」という感じでしょうか。
come through は「通る、通り抜ける、やり通す、切り抜ける」。
つまり、「あのロマンス」がどんな経過をたどって、どんな結果になったのか、知りたいのですね。
【 We haven't met since then 】
「私たちはあれ以来会っていなかった」。
「あれ以来」の「あれ」は何なのでしょう?
素直に読めば、「あのロマンス以来」ってことになるでしょう。
主人公たちが会わなくなった原因が「あのロマンス」なのでしょうか。
二人が恋人同士だったのだとしたら、別れた原因だったのかもしれません。
主人公の片思いだったのだとしたら、失恋の原因だった、ってことですね。
【 Gee, but it's nice to see you again 】
gee は感動を表出する表現ですが、場面によって意味合いは様々です。
ここでは久しぶりに会った人への万感の思いが込められているのでしょう。
but については注意が必要です。
よく使われる「しかし、けれども」という接続詞とはちょっと意味合いが異なるのです。
感動表現の後などで、強調的に使われるのです。
手元の辞書に挙げられた例文を引用してみます。
Heavens, but it rains! いや実にひどい雨だ
I say! But you had a narrow escape! 全くよくも命拾いしたもんだ!
But she's beautiful! いや美人だなあ!
・・・何となくニュアンスを感じていただけましたでしょうか。
it's nice to see you again は「あなたにまた会えたのはよいことだ」ですね。
it が形式上の主語、 to see you again が実質上の主語です。
【 What's new? 】
【 Probably I'm boring you 】
再び What's new? と問いかけて、それに対して自分で「たぶん私はあなたをうんざりさせてるわよね」とツッコミを入れてます。
bore は「退屈させる、うんざりさせる」。
【 But seeing you is grand 】
「でも、こうやってあなたに会っていることは素晴らしいことなの」という感じでしょうか。
私にとっては、というニュアンスなのでしょうねえ。
相手の方は必ずしもそうではなくて、温度差がある状況なのかもしれないなあ、と想像してしまいます。
【 And you were sweet to offer your hand 】
この文が難しくて、実はよくわからないのです。
もしも動詞が現在形の are だったとしたら、「手を差し出してくれるなんて、あなたは優しいです」ということになって、別れ際に握手をしてくれて嬉しい、みたいなことになるのかな? なのですが。
でも、動詞は過去形の were ですから、何かしら過去のことを言っているのだと考えるしかありません。
昔あった何か、主人公はそれを思い出しているのでしょう。
できればそれを話題にして、もう少し相手と話をしたい、一緒にいたい、そんな感じなのかもしれません。
(ちょっと深読みが過ぎるかもしれませんが。)
offer your hand が具体的に何を指しているのかは、わからないです。
昔、相手が主人公に対して、何かしら手を差し伸べてくれたことがあったのか。
offer one's hand には「結婚を申し込む」という意味もあるようです。
もしもその意味なのだとしたら、主人公たちは相当に深い関係だった、ということになりますね。
【 I understand 】
これも難しくて、よくわからないです。
主人公は何を understand してるのか。
何に対して「わかっています」なのか。
私は、この場面・状況についての主人公の理解を表しているのではないかなあ、と思います。
久しぶりに会った人。
実は主人公は彼のことが今も好き。
でも彼にとっては過去のことで、特に感慨深いものでもなくて・・・
そんな温度差を主人公は「わかってるわ、だからもうこれ以上引き留めないわね」と言ってるのでは、という気がします。
(ここも深読みが過ぎるかも。もしかしたら、とんでもない的外れかも、です。)
【 Adieu! 】
「さようなら!」。
【 Pardon my asking what's new 】
「私が what's new と尋ねたことを許してください」ですね。
pardon は「容赦する、大目に見る」。
pardon me for ~ing 、または pardon my ~ing という形を取ります。
引き留めてあれこれと聞いてごめんなさいね、という感じですね。
【 Of course you couldn't know 】
「もちろんあなたは知るはずもない」。
ここで助動詞 can が過去形 could になっているのは、時間的な過去を表しているのではありません。
could にはいろいろな用法がありますが、ここでは「可能性の有無」にフォーカスしているのだと思います。
あなたが知ることは可能なのか? いや可能ではない、知るよしもないだろう、というニュアンスだと思います。
知るはずもない、知るよしもない、の内容は、最後の2文にあります。
【 I haven't changed 】
「私は変わっていない」。
【 I still love you so 】
「私は今でもあなたをこんなにも愛している」。
以上、参考になりましたら幸いです。
著作権の関係上、ここでは解説以上に踏み込んだ翻訳・和訳をすることはできません。
皆様それぞれに試みていただければ、と思います。
/// Words by Johnny Burke///
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