成見和子のブログ

日々雑感、ジャズ歌詞、映画、読書。法律用語解説も始めました。

ジャズ歌詞解説 ~On Green Dolphin Street~

今日の歌詞解説は On Green Dolphin Street です。

早速いきましょう。

 

【 Lover, one lovely day love came planning to stay 】

最初の lover は、「恋人よ」という呼びかけでしょう。

one lovely day love come は「ある素晴らしい日、愛はやって来た」。

came のあとの planning は 動詞 plan の現在分詞です。

planning to stay で、直前の came に説明を加えているのです。

愛は「とどまる計画をしながら」やって来た、ということ。

つまり「あの日に始まった愛は、その後ずっと続くことになった」ということなのですけど、まるで「愛」そのものに意思があるかのように plan という動詞が使われているのが面白いなあ、と思います。

「人間の意思ではどうにもならない運命」というニュアンスも感じます。

 

【 Green dolphin street supplied the setting, the setting for nights beyond forgetting】

前半は「グリーンドルフィン通りは舞台を提供した」。

後半は、 the setting を詳しく言い直して加えています。

「忘れられない夜の数々のための舞台」ですね。

 

【 And through these moments apart memories live in my heart 】

through these moments apart は「離れている時間を通してずっと」。

memories live in my heart は「記憶は私の心に生きている」。

 

【 When I recall the love I found on I could kiss the ground on green dolphin street 】

the love I found on は「私が見つけた愛」だと思うのですが、なぜ on がくっついているのか、よくわからないです。

the love I found on green dolphin street と言いたいところ、後にも出て来て重複するので省略しているのかなあ、という気がします。

だとすると、文全体で「私が(グリーンドルフィン通りで)見つけた愛を思い出すと、グリーンドルフィン通りの地面にキスできるだろう」ということになりますね。

can ではなくて could が使われているのは、「今自分はグリーンドルフィン通りにはいないから、実際にキスすることはできないけれど、もしそこにいたとしたらキスできるだろう、キスしたい」というニュアンスなのかな、と思います。

 

スタンダードとして定着している歌の歌詞は、もともとのミュージカルや映画を知らなくても楽しめるものが多いです。

でも、この歌は、映画「Green Dolphin Street(邦題:大地は怒る)」を知らなければ「グリーンドルフィン通り」をイメージすることが難しいと思います。

機会があったら映画もご覧になってみてください。

 

以上、参考になりましたら幸いです。

著作権の関係上、ここでは解説以上に踏み込んだ翻訳・和訳をすることはできません。

皆様それぞれに試みていただければ、と思います。

/// Words by Ned Washington ///

 

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