成見和子のブログ

日々雑感、ジャズ歌詞、映画、読書。

老人ホームへ送る物品購入でアホな失敗。

私は法律系の専門職です。

成年後見分野でも活動してます。

判断能力の低下した高齢の方などの後見人になって、ご本人のかわりに財産管理等を行うのです。

・・・というと、何だかキレイな仕事のように思われるかも。

でも、実際のところ「雑用係」みたいな面もあるのです。

例えば、入院している方の体調が回復して老人ホームへの入居が決まった場合。

私の本来の役目は、ご本人の法定代理人として老人ホームとの契約をすること。

それから、退院の際には入院費の支払いなども行います。

病院から老人ホームへ移動する際には介護タクシーを使うことが多いですが、この手配は病院の相談員さんにお願いすることが多いです。

問題は、「誰がご本人に付き添って老人ホームへ行くか?」ということ。

成年後見人の仕事に「介護そのもの」は含まれません。

介護が必要な場合には、その「手配」をするのが後見人のお仕事。

じゃあ、付添いのヘルパーさんを手配するのかというと、そうではなくて。

自分でやっちゃう、というのが実情です。

入居の時には「必要な物一覧表」なんてのを渡されます。

衣類○セット、タオル、歯ブラシ、コップ・・・

全てに名前を書くように、と指示されます。

誰が買い物に行くのか?

結局、私が行きます。

名前書きも私がやります。

だって、他にいないですもんねえ・・・。

ケアプランはケアマネさん、介護は介護士さん、看護は看護師さん、それぞれが専門職として自分の分野で仕事をします。

そのスキマにある雑用がどうなるかというと、結局のところ後見人が担うことになってしまうのです。

このあたりの事情をご存じない方が、「成年後見人の報酬は高すぎる!」と仰ることがありますけど、実のところ「割に合わないことが多いなあ」というのが私の本音です。

「法律知識があるため財産管理や契約などにも対応できる有償ボランティア」だと言ってしまった方が実情に近いかも、という気がします。

それはともかく。

先日も、ある方がおられる老人ホームから物品の調達依頼がありました。

わりと細かい指定があって、街のドラッグストアでは手に入らないかも、という物品です。

「どこで手に入りますか?」と尋ねたら、「アマゾンで買ってください」とのこと。

「アマゾンで注文して、そちらへ直接届けてもらっていいですか?」と尋ねたら、「それは困る、後見人さんから送ってください」とのこと。

直接お届けでもいいのでは、と一瞬思ったけれど、このあたりは、それぞれのホームで取り扱いに差があります。

混乱を招くのは本意ではありませんし、深入りせずに「言われたとおりにする」のがいちばんです。

で、アマゾンで指定の商品を探したら、すぐに見つかりました。

便利な世の中になったものですねぇ。

それを、まずは私の事務所へ配達してもらいます。

そうだ、ホームへ送るための梱包材も必要だな。

ちょうどいい段ボール箱とか、今事務所にはないなあ。

サイズを考えて、宅配用の段ボールも注文しました。

バラ売りがなかったので、3枚セットで。

そして翌日、荷物が届きました。

それを見て私は絶句。

ホームから頼まれた物品は、アマゾンの段ボールにきれいに梱包されてます。

つまり、このまま開封せずに伝票を剥がして、新たに宅配便の伝票を貼り付けて発送すれば済むことじゃないか!

私は一体何を考えてたんだ?

アマゾンの箱を開けて、中身を新しい段ボール箱に移し替えて発送するつもりだったのか?

私はバカなのか?

本当にアホな失敗です。

自分自身の判断能力が低下してるではないか・・・。

他人の後見人になってる場合じゃないのかも・・・。

本気で落ち込んでしまい、2,3日は復活できず。

そして、狭~い事務所には、当面使う予定のない段ボールの3枚セットが残ったのでした・・・。

 

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