成見和子のブログ

日々雑感、ジャズ歌詞、映画、読書。

ターミナル【ネタバレ注意】

映画「ターミナル」観ました。

良かったです~!

断片的ですが感想などをメモしておきます。

 

★設定がスゴイです。お話のほとんどが「空港内」なのに最後まで何の違和感もなく飽きずに観てしまった。

 

★冒頭からディクソンの有能さが描写されます。(ミッキーマウスのトレーナーの団体)。主人公の敵役だけど、実は私、彼のことは最後まで嫌いにはなれなかった。

 

★ビクターを空港から追い出したいディクソンとの攻防が意味深。防犯カメラを使ったコメディーになってるけど、ビクターの直感と知性の勝利、という気がする。法令の隙間に落ちてしまった状況で最も安全な場所と対応を選んだ、と言えそう。

 

★カート返却で小銭を手に入れるビクター最高! それに気がついた職員たちの反応も最高! この時点で既に人気者になってる(笑)

 

★そこからのビクターの快進撃がとにかく楽しい! 食べ物を手に入れ、英語を習得、そして仕事まで!

 

★エンリケとの会話でビクターの人柄がにじみ出す。「(発展途上の英語で)浮気はダメ!」とか。

 

★「おそれ(fear)」を巡るディクソンとビクターの会話。笑っていいのか涙するべきなのか・・・脚本が上手いなあ、ってこと。

 

★ミロドラゴビッチの一件は圧巻。このあたりからディクソンのビクターに対する態度の根っこにあるものが変化しているように思う。それまでは主に「保身」だったのが、「嫉妬」が加わったような・・・。ビクター・ナボルスキーは「面倒な案件」から「自分の価値をおびやかすライバル」に昇格した、ってことか。

 

★アメリアにとってもビクターは自分の情けなさを写す鏡のようなものだっただろうと思う。いい感じになりかけるも、ディクソンからビクターのことを聞いて疑心暗鬼に陥る(そもそもビクターは嘘をついていないのに)。そこで明かされた缶の中身とニューヨークへやって来た目的。祖国を愛し、家族との絆を大切にする善良な男なのだと明らかになる。彼への愛を自覚しつつも、自分はビクターにふさわしくない、という結論を出したのだろうなあ。

 

★飛行機を止めたグプタはどうなっちゃうんだろう? 昇進したディクソンが上手く処理してくれるのかな。それとも本当にインドへ強制送還? 実はずっと故郷へ帰りたかったのかもしれないし。

 

★ビクターが空港から外へ出た瞬間。観てる方まで外気のフレッシュな冷たさを味わった気分。

 

★タクシーから降りてきたアメリアの爽やかな表情がいい。彼女の今後の人生が良きものとなりますように。いや、きっとなるはず。ビクターにとってアメリアは結局のところ「旅先で一目惚れしたキレイな女性」でしかない。でもアメリアにとってビクターは「自分を見つめ直すきっかけをくれた運命の男性」なのだから。

 

いやいや、いい映画でした。

ちょっと悔しいのは英語力不足。

細かい言い回しがきちんと聞き取れれば、もっと深く理解できたり、笑うべきところで笑ったりできるんだろうなあ、と思うのです・・・。