成見和子のブログ

日々雑感、ジャズ歌詞、映画、読書。「やさしい法律用語解説」は現在準備中。

桜沢鈴【義母と娘のブルース】

2020年1月に書いたものです。

別の場所に掲載し、その後非公開にしていました。

読み返してみたら懐かしくなったので、こちらへ再掲載します。


【読書日記:義母と娘のブルース】4コマの魅力と威力。

言わずと知れたテレビドラマ「ぎぼむす」の原作。

でも、4コマ漫画だってご存じでした?

そうなのです。

この「4コマ」というスタイルがいいのですよ~。

新聞や雑誌の4コマ漫画を思い浮かべてみてください。

必ず4コマの中に「オチ」みたいなものがあるでしょ。

「ふふっ」と笑えたり、「うんうん」と思ったり。

時には爆笑も。

たった4コマのマジックです。

この作品では、そんな4コマがどんどん積み重なっていって、全体としてはストーリーになってます。

ところどころ「8コマ」単位になっていて、それがまたリズム感と推進力を生んでます。

通読すれば、ほっこりしたり泣けたりする物語。

部分部分の4コマを取り出せば、それぞれが「お笑い」になってる。

楽しみが2層になっているのです。

それから、この作品には「原作としての威力」があります。

それぞれの4コマ(または8コマ)の繋がりを埋める部分は読み手に任されている、ということ。

もちろん、全体の物語の流れは作者が設定しているのだけれど、読み手の感性によって様々に読める部分が大きい、ということ。

ということは、この作品を原作としてテレビドラマ等が作られた場合には、脚本家や役者の感性によって限りない可能性がある、ということ。

もちろん、作者がそれを拒否するならば(つまり「4コマ漫画」としての楽しみ方しか許さない、という態度を取るならば)それは実現しないのだけれど、作者の桜沢鈴は、この作品が「原作」となることを歓迎しているようです。

結果、とても楽しいテレビドラマとなった、というワケ。

でも原作は原作で、決してその魅力を失うことはありません。

ぜひ読んでみてください。