ダスティン・ホフマンの演技に圧倒された。
それに尽きる、と言ってしまってもいいぐらい。
(もちろんそれだけではない、いろんな要素が絡み合って傑作になってるのだ、ということは理解している。)
以下、断片的だけどメモや感想を。
★「バラの木」にはどんな意味があるんだろう。物語の最初の方では枯れかけていた。
★レイモンドの登場シーンがいい。 You know this car? I know this car. からの一連のセリフが耳に残る。
★2度目に観たら、前半部分のチャーリーの嫌らしさが改めて迫って来た。トム・クルーズ、演技上手いわ・・・。
★レイモンドが劇中で何回「 I don't know 」と言ったか数えてみたくなった(笑)
★ダスティン・ホフマンとトム・クルーズ、似てるんじゃないか? ホントに兄弟みたいだ。これは演技で出来ることじゃないし、実際に似てるのかも。
★レイモンドが「一塁手は誰だ・・・」を唱えるのは不安になった時だ、と施設職員のバーンから説明されている。(チャーリーも観客も。)だから物語の中で「今レイモンドは不安になっている」ということがわかるようになっている。
★レイモンドが「レインマン」だったと知るチャーリー。そしてレイモンドが施設へ行った事情を知った瞬間。転機は一瞬で訪れた・・・。
★この転機の後だからか、「レイモンドを利用してカジノで儲ける」が嫌らしく感じられない。「いけー! レイモンド! チャールズ!」という気になる。
★ラスベガスのシーンでは「一塁手は誰だ・・・」は一度も出てこない。
★レイモンドがビュイックを運転するシーンは最高! レイモンドが最初に登場するシーンとリンクしてる。今チャーリーが座っている助手席には、かつては兄弟の父親がいた。そしてレイモンドに運転を教えていた・・・。チャーリーがレイモンドの保護者になれるのでは? 一緒に暮らせるのでは? と思ってしまうようなシーン。でも、ここから次第に現実へと戻っていく。
★チャーリーの家で不安になり、「一塁手は誰だ・・・」を唱え始めるレイモンド。それにオーバーラップする形で元ネタのビデオを眺める二人のシーンになる。このシーンは絶品。
★火災報知器の音でパニックになるレイモンド。危機に陥って呼んだのは、施設職員で「親友」のバーンだった。チャーリーの名を呼ぶ、などという奇跡は起きない・・・。ここで、見ている側にもレイモンドは施設へ戻るのだな、ということがわかってしまう。
★それでも変化はある。レイモンドは「親友」と認めると名前をアルファベットで呼ぶ。バーンのことは V-E-R-N だ。物語の終盤で、レイモンドはチャーリーのことを C-H-A-R-L-I-E と呼んだ。これから先の二人の交流への予言のようだ。
★「奇跡」が起きたのはチャーリーの側だろう。物語の最初と最後では別人のような表情になっている。
★「バラの木」の明確な回収はなかった(見落としたのかもしれないけど)。けれどチャーリーの心の中で復活したのでは・・・という気がする。
★エンドロールに「 Consultants on Autistic Behavior 」としてたくさんの方の名前が挙がっていた。自閉症の専門家の方々のアドバイスをもとに、ダスティン・ホフマンはものすごい研究と努力をして演技を完成させたのだろうなあ・・・すごい。
以上、2回観てのメモ。
たぶん何度でも観る作品になると思う。
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