成見和子のブログ

日々雑感、ジャズ歌詞、映画、読書。

ジャズ歌詞解説 ~You Were Meant For Me~

今日の歌詞解説は You Were Meant For Me (ユー・ワー・メント・フォー・ミー)です。

早速いきましょう。

 

【 You were meant for me 】

「君は僕のものに定められていた」という意味です。

mean は「(~する)つもりである、予定する、計画する」。

受動態になると「~用に定められる、ある運命に定められる」といった意味になります。

なかなかピンとこない表現ですよね。

辞書にはこんな例文がありました。

He was meant for a physician.(彼は医者に生まれついた。)

This was just meant to be.(最初からこうなる定めだったのだ。)

 

【 I was meant for you 】

「僕は君のものに定められていた」ですね。

 

【 Nature patterned you 】

「自然が君を作った」。

pattern は「型(手本)にならってつくる」。

自然(「造物主」と言ってもいいかも)が人間を作るときには、ゼロから作るんじゃなくて「原形・型」があって・・・ということでしょう。

 

【 And when she was done you were all the sweet things rolled up in one 】

「そして、作り終えたときには、君は素晴らしいもの全てが一つにまとめられた存在だった」ということになりますが・・・何とも英語特有の言い回しですね。

she は nature を指しているのだと思います。

辞書の nature の項に「しばしば擬人化して女性扱い」とありました。

「母なる自然」といったイメージなのでしょうねえ。

done は形容詞で「済んだ、終了した、おしまいで」といった意味です。

roll up は「くるくると巻く、くるむ」。

roll up in one だと「くるんで一つにまとめる」という感じでしょうか。

roll が過去分詞 rolled になって、形容詞的に all the sweet things を修飾しています。

all the sweet things rolled up in one で「くるくると一つに巻かれた全ての素敵な物たち」。

sweet は「感じのいい、みごとな、巧妙な、すてきな、魅惑的な・・・」。

いろんな素晴らしいものの全て・総体、それが君だ、と言っているのですね。

 

【 You're like a plaintive melody that never lets me free 】

「君は、僕を決して自由にしない悲しげなメロディーのようだ」ですね。

plaintive は「悲しげな、哀調に満ちた」。

that は関係代名詞です。

that never lets me free が a plaintive melody を修飾しています。

 

【 For I'm content 】

「僕は満足しているのだから」。

content は「満足して、安心して」。

ここでの for は接続詞です。

これまでに述べたことに対して、「その理由は~だからです」と付け加える働きをします。

 

【 The angels must have sent you and they meant you just for me 】

「天使たちが君をよこしたに違いない、そして彼らが君を僕だけのものと定めた」。

must は助動詞で、「当然~だろう」という推定を表します。

日本語にすると「~に違いない、きっと~だろう」ということになります。

後半部分は、最初の文( you were meant for me )と対になっています。

最初の文は you が主語で受動態になっていますが、この部分は they(天使たち)が主語で能動態です。

同じ事を言っているのでしょうが、angels という主体が表れていることで、主人公の「大いなる力に対する感謝の気持ち」のようなものを感じます。

ちょっと深読みが過ぎるかもしれませんが。

前半と後半は接続詞 and で結びつけられていますが、必ずしも「前後関係」を表しているのではないと思います。

どちらかというと後半部分が時間的には先行するような気もします。

天使たちが、素晴らしい女性を主人公の運命の相手と定めて、そして送り届けてくれた、と読むのが自然かなあ、と。

 

以上、参考になりましたら幸いです。

著作権の関係上、ここでは解説以上に踏み込んだ翻訳・和訳をすることはできません。

皆様それぞれに試みていただければ、と思います。

/// Words by Arthur Freed///

 

★こちらの記事もどうぞ