今日の歌詞解説は On The Street Where You Live です。
「君住む街で」や「君住む街角」という邦題でも知られていますね。
早速いきましょう。
【 I have often walked down this street before 】
「僕はこれまでに、この街を何度も歩いたことがある」という意味だと思います。
street は「街、通り」ですが、「街」と「通り」ではイメージするものが少し違ってきますよね。
どちらでもいいと思うのですが、「君住む街で」といった邦題が定着しているせいか、私には何となく「街」だと感じられます。
walk down の down が具体的に何を意味しているのかは、よくわからないです。
「上手から下手へ」なのか「北から南へ」なのか「こちらからあちらへ」なのか。
いずれにしても「動きを伴っている」というところがポイントなので、そのニュアンスを感じ取れればそれでOKなのかな、と思います。
この文は現在完了形になっています。
「現在完了形」という文法用語から、単純に「出来事の完了」を表すのかな? と思われがち。
でも、キモは「過去に起こった動作や状態を現在と結びつけて述べる」というところなのです。
文脈によって「動作の結果としての現在の状態」や「現在までの経験」や「現在までの状態の継続」などを表すことになります。
この歌は「これまで何度もこの街を歩いたことはある。でも・・・」とつながって行きますので、「現在までの経験」という理解がいちばん腑に落ちるかな、という気がします。
【 But the pavement always stayed beneath my feet before 】
「でも、これまでは、舗道はいつも僕の足の下にちゃんとあった」ですね。
pavement は「舗道、(舗装した)人道、歩道」。
stay の基本の意味は「とどまる」。
動かずにその場にある・いる、という感じですね。
次の文とも関連しますが、「地に足がついていた」と理解してもよさそうです。
【 All at once am I several stories high knowing I'm on the street where you live 】
「君が住んでる街にいるのだと知ったら、突然僕は5階ぐらいまでハイになってる」という感じでしょうか。
all at once は「いきなり、突然」。
am I several stories high は、I am several stories high の I と am が倒置になっている、と考える他はないと思うのですが、なぜそうなっているのか、理由はわからないです。
story は、ここでは「物語」ではなくて「(建物の)階層、階」のことです。
several は「いくつかの」ですが、ここでは何階ぐらいの高さをイメージすればいいんでしょう?
辞書によって「4~9」だったり「おおむね3・4・5」だったり「2・3よりは多いが many ほどではない」だったり。
勝手なイメージですが「5階ぐらいの高さ」にしときました・・・適当(笑)
high は「物理的に高い」というだけでなく、「気分的に高い」時にも使われます。
そのまま「ハイになる」って言ったりしますね。
knowing 以下は「分詞構文」の形です。
意味としては、単純に「時」を表しているとも考えられますし、「原因・理由」を表しているとも考えられます。
「~すると・・・した」とも考えられるし、「~なので・・・した」とも考えられる、ということです。
I'm 以下は knowing の内容を表しています。
【 Are there lilac trees in the heart of town 】
「街の中心にはライラックの木がたくさんありますか?」。
lilac は「ライラック、リラ」ですが、文章では説明のしようがないです。
画像を検索してみたら、キンモクセイを薄紫色にしたような花でした。
よい香りがするのでしょうねえ。
【 Can you hear a lark in any other part of town? 】
「街のどこか他の場所ではヒバリのさえずりが聞こえますか?」
lark は「ヒバリ」です。
you は、主人公が話しかけている架空の相手(または歌の聴き手)だと考えることもできますし、「人一般」だと考えてもよいでしょう。
あるいは、自分自身を you と言っていて、自分で自分に問いかけている、と考えることも可能だと思います。
【 Does enchantment pour out of every door? 】
「家々の扉からは魔法の力が流れ出していますか?」
enchantment は「魔法、魅力、魅惑するもの、大きな喜び、歓喜」。
【 No, it's just on the street where you live 】
「いや、君が住む街にいる、ってだけのことなんだ」という感じでしょうか。
on の前に I'm が省略されているのではないかな、と思います。
そして、名詞節を導く that が省略されているのだと考えられます。
元の形を復元すると No, it's just that I'm on the street where you live となります。
it は、ライラックの香りがしたりヒバリのさえずりが聞こえたり魔法みたいな不思議なものがあたりに漂っていたりすること。
これらは主人公だけが感じていることですから、「聞こえる?」などと問われた人は「聞こえないけど・・・」と答えるしかないですよね。
主人公はそれをわかってる。
だから No と言っているのですね。
【 And oh, the towering feeling just to know somehow you are near 】
「そして、ああ、君が近くにいると知っただけでそびえ立つこの思い」。
この部分は、主語や述語が揃った完全な文ではないです。
「ああ、この思い!」という、叫びのようなものだと考えればよいでしょう。
tower は「高くそびえる、そびえ立つ、(才能などが)ぬきんでる、傑出する」という意味の動詞。
それが towering という現在分詞となって、形容詞として使われています。
to know は不定詞で、ここでは「原因・理由」を表していると考えられます。
手元の文法書には「感情の原因を表す場合が多い。」と書いてあります。
まさにそれ! ですね。
somehow は副詞です。
「なんとかして、どうにか、なんとかかんとか、ともかくも、どういうわけか、どうも」といった意味があるようですが、ここでの意味合いはよくわからないです・・・。
【 The overpowering feeling that any second you may suddenly appear 】
「今にも突然君が現われるかもしれないという圧倒的な予感」ですね。
overpowering は「強烈な、圧倒的な、抗しがたい」。
any second は「すぐに、今にも」。
feeling を日本語にするのは本当に難しいです。
辞書に「予感、気」という訳語があって、 I had the feeling that ~ (~という気がした)という例が載っていました。
これが近いかなあ、という気がします。
【 People stop and stare 】
「人々は立ち止まって見つめる」。
【 They don't bother me 】
「彼らは僕を悩ませない」と言っていますが・・・
bother は「悩ます、煩わせる、うるさがらせる、じゃまする・・・」いろいろありますねえ。
ここでは「(人に何と見られようと)そんなの気にならないよ」というニュアンスだと思います。
【 For there's nowhere else on earth that I would rather be 】
「地球上でここ以外に僕がいたい場所なんてないのだから」。
would rather ~ は「むしろ~したい、どちらかというと~したい」だと説明されますが、この場面では、特にそういう意味合いを含んでいないように思います。
無理に rather を日本語にしなくてもよい場合もあるのかな、という気がします。
earth は「地球、(空に対して)大地、(海に対して)陸地、(あの世に対して)この世」といった意味ですが、いずれの場合も the がつくのでは? という気がします。
ということは on earth は慣用句的なもの? とも考えたのですが、文脈からすると単純に「地球上で、この世で」と理解してよいように思います。
【 Let the time go by 】
「時間を過ぎ去らせておきなさい」。
let ~ ... は「~に ... させる」です。
ここでは命令形になっています。
go by は「通過する、(時が)経つ」。
時間が経つことなんか気にしないよ、ってことですね。
【 I won't care if I can be here on the street where you live 】
「この場所に、君が住む街にいられるなら、僕はかまわないんだ」。
care は「心配する、気にかける、関心をもつ、かまう」。
care の内容が示されていませんが、前の文の「時は過ぎればいい!」を受けて「かまうものか!」と言っているのだと思います。
以上、参考になりましたら幸いです。
著作権の関係上、ここでは解説以上に踏み込んだ翻訳・和訳をすることはできません。
皆様それぞれに試みていただければ、と思います。
/// Words by Alan Jay Lerner///
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