成見和子のブログ

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ジャズ歌詞解説 ~Moonlight Serenade~

今日の歌詞解説は Moonlight Serenade (ムーンライト・セレナーデ)です。

早速いきましょう。

 

【 I stand at your gate 】

「私はあなたの門に立つ」ですね。

とても簡単な文に思えますが、なぜ現在形なのかな? という点が気になります。

手元の文法書の中に「現在時制と現在進行形の違い」という項目がありました。

その中に、以下のような説明があって、これかな? と思いました。

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現在時制:現在の一般的事実・習慣

現在進行形:現時点の一時的な現象・活動

He sleeps eight hours a day.(彼は1日8時間寝る)

He is sleeping now.(彼は今眠っている)

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つまり、主人公は習慣的に(夜な夜な)恋人の家にやって来て門のところに立ってる、ということなのかなあ、と思います。

実はそんな深いニュアンスはないのかも、という気もしますが。

 

【 And the song that I sing is of moonlight 】

「そして私が歌う歌は、月光の歌です」。

that は関係代名詞で、the song that I sing は「私が歌う歌」という意味になります。

of moonlight が少々わかりにくいですね。

「of + 名詞」で形容詞句となって、「~の」という意味になるのです。

関係代名詞に導かれる節( that I sing )を取り除いてみると、さらに理解しやすくなります。

the song is of moonlight となりますね。

「その歌は、月光の(歌)だ」ってことです。

 

【 I stand and I wait for the touch of your hand in the June night 】

「6月の夜、私はたたずんで、あなたの手が触れるのを待つ」ですね。

touch of your hand は「あなたの手が触れること」だとも「あなたの手の感触」だとも考えられます。

 

【 The roses are sighing a moonlight serenade 】

「バラたちがムーンライト・セレナーデをため息のように奏でている」。

ここは現在進行形です。

急に「現時点で起こっていること」の話になりました。

serenade は「夜、恋人のいる部屋の外で歌う(奏でる)歌(曲)」のこと。

sigh は「ため息まじりに言う、語る」ですが、ここでは「ため息のような雰囲気で歌う、奏でる」ということでしょう。

いつものように彼女のところへやって来た主人公ですが、今夜は何やら格別な雰囲気のようですね。

ここでちょっと気になることが。

主人公は既に彼女から受け入れてもらっているのでしょうか?

頑張ってるけど今のところ思いは届いてなくて、今夜こそ!なのでしょうか?

どうなのでしょう。

あ、いつの間にか「主人公は男性」ってことになってますね。

でも、たぶん間違いではないと思います。

 

【 The stars are aglow 】

「星たちは照り輝いている」。

aglow は「燃え立つように照り輝いて、情熱に燃えて」。

 

【 And tonight how their light sets me dreaming 】

「そして今夜は、星たちの光はなんと私を夢見させるんだろう」。

set ... ~ing は「...を~させる」です。

 

【 My love, do you know that your eyes are like stars brightly beaming 】

「愛する人よ、あなたの瞳は明るく輝く星のようだと知っていますか?」。

that 以下が動詞 know の目的語になっています。

beam は「光を発する、輝く」。

beaming は beam の現在分詞で、形容詞的に stars を修飾しています。

 

【 I bring you and sing you a moonlight serenade 】

「私はあなたにムーンライト・セレナーデを持参して歌う」ですね。

a moonlight serenade は bring と sing の両方の動詞の目的語になっています。

bring という動詞の意味を直感的にとらえることは難しくないですが、どんな日本語をあてればいいんでしょう?

「持参する」ではあまりにも・・・ですよねえ。

「歌の内容を理解する」ことの先にある「翻訳、訳詞」には大変な苦労があるのだろうなあ、と思います。

 

【 Let us stray till break of day in love's valley of dreams 】

「夜明けまで愛の夢の谷をさまよいましょう」。

let us ~ は「~しようよ」という勧誘です。

口語では Let's ~ となりますよね。

stray は「道に迷う、さまよう」。

break of day は「夜明け」。

 

【 Just you and I 】

「あなたと私だけ」。

 

【 A summer sky 】

「夏の空」。

 

【 A heavenly breeze kissing the trees 】

「木々にキスをする天国のようなそよ風」。

heavenly は「天国のような、神々しい、(口語で)すてきな」。

ここまで、文になっていない言葉の断片が続きました。

夢のような愛の世界のことなのですから、文法なんて無視!でOKなのでしょう(笑)

 

【 So don't let me wait 】

「だから私を待たせないでください」。

今日は来てくれるのが遅いね、はやくおいで・・・なのでしょうか?

お願いだから僕の気持ちを受け入れて、待てないよ・・・なのでしょうか?

う~ん、わからないです。。。

 

【 Come to me tenderly in the June night 】

「6月の夜、優しく私のところに来て」。

 

【 I stand at your gate 】

「私はあなたの門に立つ」。

 

【 And I sing you a song in the moonlight a love song, my darling, a moonlight serenade 】

「そして私は月明かりの中であなたに愛の歌を歌う、愛する人よ、ムーンライト・セレナーデを」ですね。

my darling という呼びかけからすると、二人は既に親しい仲になってるのかな? という気もします。

 

以上、参考になりましたら幸いです。

著作権の関係上、ここでは解説以上に踏み込んだ翻訳・和訳をすることはできません。

皆様それぞれに試みていただければ、と思います。

/// Words by Mitchell Parish///

 

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