今日の歌詞解説は Exactly Like You (イグザクトリー・ライク・ユー)。
明るくて、楽しくて、幸せな歌です。
あまり歌われることはないのかもしれませんが、ヴァースも取り上げてみました。
早速いきましょう。
(ヴァース)
【 I used to have a perfect sweetheart 】
used to ~ は過去の習慣的な動作や状態を表します。
「~したものだった」、「以前は~だった」と訳されます。
have は(友人・親類などを)有する、・・・がいる、ということ。
「以前私には完璧な恋人がいたものです」ということですね。
【Not a real one just a dream 】
ちゃんとした文になっていませんが、he was(または she was )が省略されているのではないかなあ、と思います。
・・・それを補ってもまだわからないですよね。
just の前に but が省略されているのだと思います。
not ~ but ・・・ で「~ではなくて・・・」という意味です。
全体で「彼は現実の恋人じゃなくてただの夢でした」ということでしょう。
(もしかしたら he was の省略なのではなくて、a perfect sweetheart と not a real one just a dream が同格なのかもしれません。その場合は1行目と2行目を合わせて一文になります。)
【 A wonderful vision of us as a team 】
これも文になっていませんけど、冒頭に I used to have を補って理解すればよいと思います。
vision は「想像、思い描いた姿」。
team は「チーム」ですね。
空想上の理想の恋人と自分がチーム(カップル?)になっている素晴らしい姿をありありと思い描いていたのですねえ。
【 Can you imagine how I feel now 】
「私が今どんなふうに感じているか、あなたは想像できますか?」ですね。
【 Love is real now 】
今、恋は現実なのだ、と言っています。
【 It's ideal 】
この恋は理想的なのだ、と言ってます。
【 You're just what I wanted 】
「あなたは、まさに私が欲しかったものである」ということですね。
what は関係代名詞。
what I wanted で「私が欲しかったもの」。
「あなた」は「もの」ではなくて「人」なのに、なぜ who ではなくて what なんでしょうか。
よくわからないけど、単純に「あなた」なのではなくて、あなたと私、あなたとの恋、あなたと一緒の素晴らしい世界、いろいろなものをひっくるめての「 you 」なのでは、という気がします。
【And now it's nice to live 】
to live は「to 不定詞」と呼ばれる形です。
ここでは名詞として働いていて、「生きること」という意味になります。
形式主語の it が前に出ていますが、to live が実質上の主語。
it's nice to live で「生きることは素敵なことだ」ですね。
【 Paradise to live 】
冒頭に it's が省略されているのだと思います。
to live が実質上の主語ですから、「生きることはパラダイスです」という意味になりますね。
(コーラス)
【 I know why I've waited 】
ここでの know は「わかる」という日本語が近いように思います。
I've waited は「現在完了」の形です。
過去から現在に至るまで待ち続けて、そして今、理想の恋人と巡り会って「待つこと」は完了した、ってこと。
そして、なぜこれまで待ったのか、その理由が今はわかる、という感じかな。
【 Know why I've been blue 】
主語の I が省略されています。
「これまでずっとブルーだった理由が今はわかる」ですね。
ブルーとは、もちろん「憂鬱な、悲観した」という意味です。
【 Prayed each night for someone exactly like you 】
主語 I が省略されていると思われます。
pray は「祈る」で、pray for ~ で「~を求めて祈る」というニュアンスになるようです。
辞書で pray for rain という例を見つけました。「雨乞いする」です。
ということは、pray for someone exactly like you は「まさにあなたのような誰かを求めて祈る」。
夜な夜な理想の恋人との巡り会いを祈っていた、ということですね。
【 why should we spend money on a show or two 】
ここでの should には感情の強調の役目があります。
why should ~ で「なぜ~しなくちゃならないんだ?(そんな必要ないだろう)」という意味になります。
show は「映画、ショー」。
a show or two で「一本または二本の映画」ですけど、一本なのか二本なのかが問題なのではなくて、「(一本だろうが二本だろうが)映画にお金を使う必要なんてないよね?」というニュアンスです。
【 No one does those love scenes 】
「誰もあんなラブシーンなんてやらない」ですね。
映画の中の嘘っぽいラブシーンよりも、現実の、この恋の方がよっぽどステキ、ってことですよね。
まあ何て可愛らしい。
何て幸せなんでしょ。
【 Exactly like you 】
実は、この exactly like you の説明がつかないのです。
でも、説明つかなくてもいいのかな、という気がします。
この曲のコーラスは単純な AーAーBーA という構成です。(全部で32小節)
それぞれの A の最後の2小節に exactly like you という言葉が当てられています。
最初の A と最後の A の exactly like you は文法的に説明がつくのですが、この2番目の A の exactly like you は「浮いている」状態になってます。
この曲の歌詞とメロディー、どちらが先に作られたのかはわかりません。
でも、単純に、この位置に exactly like you を置いて調子を整えたかっただけなのでは、と私は考えています。
【 You make me feel so grand 】
make ~ ・・・ で「~に・・・させる」です。
「無理矢理させる」という場合だけでなく、「自然とそうなる」という場合にも使われます。
grand は「堂々とした、壮大な、はなやかな、すばらしい」といった意味。
文全体で「あなたは私をとても壮大な気分にさせる」ということですね。
【 I wanna hand the world to you 】
「私はあなたに世界を手渡したい」ですって(笑)
いやいや、ホントに壮大ですね。
【 You seem to understand each foolish little scheme I'm scheming dream I'm dreaming 】
まずは each foolish little scheme I'm scheming を考えてみましょう。
each foolish little scheme は「それぞれの、ばかげた、ちいさな計画」。
foolish には「恥ずかしくなるような」というニュアンスもあるようですので、「恥ずかしくなってしまうような計画」の方がぴったり来るかもしれませんね。
I'm scheming が何なのかというと、直前の scheme を修飾しているのです。
( I'm の前に関係代名詞 that が省略されています。)
「私が計画している計画」ということですね。
(要するに「計画」です。)
each foolish little scheme I'm scheming 全体が、直前の understand の目的語です。
seem to understand は「理解しているように思える」です。
understand の目的語はもう一つあって、それが dream I'm dreaming です。
「私が夢見ている夢」、つまりは「夢」ですね。
文全体で「あなたは私のばかげた小さな計画や夢を理解しているように思える」という意味になります。
【 Now I know why mother taught me to be true 】
ここでの true は、「真実である」だとか「正しい」とかいうよりは、「誠実な、正直な」という感じかなあ、と思います。
「母が私に『誠実でありなさい』と教えたのは何故なのか、今わかります。」ということですね。
【 She meant me for someone exactly like you 】
meant は mean の過去形。
ここでの mean は「予定する、計画する、もくろむ」です。
前置詞 for の意味は難しいですねえ。
ここでは「方向」を表しているのではないでしょうか。
「~に向かって」ということですね。
「母は私を、まさにあなたのような人に向かって目論んだ」・・・何のこっちゃ、ですけど「母は私をあなたのような人に出会わせたかったのね」という感じなのかなあ、と思います。
以上、参考になりましたら幸いです。
著作権の関係上、ここでは解説以上に踏み込んだ翻訳・和訳をすることはできません。
皆様それぞれに試みていただければ、と思います。
/// Words by Dorothy Fields ///
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