私のお仕事は、法律系の士業。
ちいさなちいさな事務所を構えて活動してます。
売れっ子でも何でもないし、もちろん行列が出来たりしません(笑)
それでもポツリポツリと問い合わせやら相談は舞い込んできます。
時々あるのが遺言関係。
でも実は私、いわゆる「遺言作成サポート」をやったことがありません。
相談は受けても、「じゃあ私がサポートしましょう。料金は○○円で・・・」ということにはならないのです。
この分野では全く儲けてない、ってこと。
たとえば。
配偶者もお子さんもいらっしゃらない方が「世話になった姪っ子に全財産をあげたい」と希望されていたとします。
私のアドバイスは「公正証書遺言を作成されるといいですよ。内容が単純ですから、専門家にお金を払って下書きを作ってもらう必要なんてありません。直接公証役場へ行って相談すれば、ご希望どおりに進めてくれますよ」ということになります。
で、最寄りの公証役場を調べて教えてあげて、「たぶん予約が必要だと思うから、まずは電話してみて」と背中を押す。
それだけ。
ご本人でも出来ることを「やってあげます」と言ってサポート料を取るなんてこと、私には出来ないのでございます・・・。
内容が複雑で専門家による検討が必要、というケースももちろんあります。
そんなケースには往々にして「相続税で損をしたくない」という動機が含まれています。
そうなると私ではダメです。
「相続税のことはわからないです、お役に立てずゴメンナサイ」ということになります。
ここで「じゃあ、提携の税理士さんと共同でサポートしますよ!」と言えればオイシイ仕事になるのでしょうけど・・・。
そういうのは苦手なのですよねえ、私。
何だか専門家が寄り集まって餌を漁るみたいで・・・。
あ、これは言い訳ですね。
人付き合いが苦手で人脈がないから、というのが真相。
まあ、いろいろあるのだけど、実はここからがメインのお話。
ご本人以外からの相談、これがクセモノなのです。
典型的なのはお子さんからの相談。
「父の遺言作成をお願いしたい」とか。
私はまず、「ではご本人にお越しいただきたい」と言います。
すると「今入院中でして」とか「足が悪くて家から出られない」といった返事が返って来ます。
私「それで、お父様から頼まれて代わりに相談に来られたのですね。」
相談者「はい。専門家に関わってもらってきちんとした遺言書を作成した方がよいと思いまして。」
こういうの、アヤシイのです。
本当に頼まれたのか。
「きちんとした遺言書を作りたい」のは誰なのか。
こういう時どうするかというと、「とにかくご本人とお会いしてみましょう。こちらから伺います。あ、同席は不要ですよ。ご本人と二人だけでお話させてください。ご本人の意思が重要ですので。」と言ってみるのです。
効果てきめんです。
「あ、いや、それだったらいいです・・・」とか言い出すので、それで相談終了。
そんなことが続いたので、ホームページの「業務内容」から遺言関連を削除してしまいました。
それでもたまに問い合わせはあります。
でも、求められるのは「親に遺言書を書かせるサポート」ばかり。
こういうのに応じる専門家もいるのかな?
いや、いないと思うけど。
だからこそ、私のところみたいな弱小事務所へも問い合わせが来るのでしょう。
いずれにせよ、「遺言作成させるサポート」はお断り!! ってことです(^^)
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