成見和子のブログ

日々雑感、ジャズ歌詞、映画、読書。

敷居が低いのは良いこと・・・とは限らない。

私は法律系の専門職です。

ちいさなちいさな事務所を構えて細々とやってます。

先日、お客様に「先生のところは垣根が低い感じで・・・」と言われました。

褒め言葉だと思います、たぶん。

で、「気軽にご相談においでいただけて良かったです」と笑顔で答えました。

実際にお役に立てましたし。

お客様が帰られてから、ん? 垣根? となりました。

「垣根」じゃなくて「敷居」ですよねえ、たぶん。

おっしゃりたいことは十分に伝わったので全然OKですけど。

あ、この「全然OK」もツッコミどころあり、ですよねえ(笑)

実は私、文学部出身で。

法律系の資格は40代で取得したのです。

大学での専攻は言語学でした。

そのせいか、今でも言葉には敏感なのです。

比喩的に使われる「垣根」と「敷居」の意味するところは異なるよねえ、とか。

もとの単語の意味のどの部分が強調されているのかな、とか。

「全然」のあとには否定の言葉が来るのが通常だけど、最近は変わってきているみたいだ、とか。

そんなことが気になるのです。

あ、今日はその話ではなくて。

「敷居が低い」は時に困ったことにもなる、というお話なのです。

困ったお客様を引き寄せてしまうことがあるのです。

ご自分の主張を絶対に曲げず、トラブルの相手方への非難を延々と述べて止まらない方とか。

その言い分が法的に成り立つものならばまだしも、間違っているのはその方の側、なんてことも多くて。

で、その点を丁寧に説明しようと試みると、「先生ならわかってくれると思ったのに!」。

そんなことが続いて、「なんでこうなるの?」と考えてみたところ、気がつきました。

私のホームページの自己紹介の中に「普通の主婦だった時間が長いことから、法律をわからない方の気持ちがわかる、それが私の強みだと思います。」みたいなことを書いていたのです。

それを読んだ人が「この人ならわかってくれるかも!」と思ってしまうようで。

でも・・・

トラブルに巻き込まれて不安な気持ちは理解できても、根拠のない無理な主張を理解することはできないし、理解するワケにもいかないのです。

結局、この自己紹介は削除しました。

これで少し「敷居の低い」感じが消えたらしく、困ったタイプのお客様からの問い合わせは減りました。

他にも「優しくて話しやすいおばさん」を思わせるような投稿は削除。

ホームページの雰囲気は「そっけない」感じに変わりました。

ちょっと悲しい気分もありますけど。

ヘンな人は来なくなったけど、本当にサポートが必要な人から見ても「敷居が高い」感じになってしまったワケで。

私自身の心や生活を守るためには仕方がない。

でも少々複雑な気分なのです。

 

【追記】

「敷居が低い」という表現は浸透している一般的な表現ですが、これを「誤用である」とする考え方もあるようです。

「敷居が高い」はもともと「気まずいことがあって近寄りにくくなってしまった」という意味で、それが単純に「近寄りにくい、ハードルが高い」という意味で使われるようになった、そしてその反対語として「敷居が低い」という表現が生まれた、ということらしいです。

↑ こういうことを調べて追記するあたりが「元・言語学専攻」らしいですよね(笑)

 

 

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