今日の歌詞解説は Blue Moon (ブルー・ムーン)です。
この曲の歌詞の著作権は消滅していて、自由に利用できる状態になっています。
なので、翻訳にもトライしてみました。
解説のあとに全文の和訳を載せてありますので参考になさってくださいね。
ではいきましょう。
【 Blue Moon 】
ねえブルームーン、と呼びかけています。
「 Blue Moon 」が具体的にどんな自然現象なのか、あまり気にする必要はないと思います。
Blue という色のイメージ、寂しいとか悲しいとか憂うつだとか孤独だとか、要するにそういう感じなのだと考えておけば、です。
【 You saw me standing alone without a dream in my heart, without a love of my own 】
you はブルームーンのこと。
saw は see の過去形。
see ... ~ ing で「... が~しているのを見る」です。
「あなた(ブルームーン)は私が独りでいるのを見ていた」ですね。
standing はもちろん「立っている」でもいいのですけど、日本語としてはちょっと不自然かなあ、と思います。
あ、でも主人公は月を見上げていたのでしょうから、実際に立っていたのかもしれないですね。
ここは、各自がどんな情景をイメージするか、という問題だと思います。
without a dream in my heart は「心に夢がなく、心に夢もなしに」。
without a love of my own は「私自身の愛、私だけの愛もなしに」ですね。
【 Blue Moon 】
ねえブルームーン・・・と続きます。
【 You knew just what I was there for 】
what I was there for が難しいですね。
語順を変えて for what I was there としてみるとわかりやすいかもしれません。
「何のために(何を求めて)私はそこにいたのか」ということになりますね。
文全体で「あなた(ブルームーン)は、まさに私が何を求めてそこにいるのかを知っていました」ということ。
just は単純なようでいて、とても日本語になりにくい言葉だなあ、といつも思います。
ここでは辞書的に「まさに」としましたけど、何だかしっくりこないです。
難しいですねえ。。。
【 You heard me saying a prayer for someone I really could care for 】
prayer は「祈り、願い事」。
辞書でわかりやすい用例をみつけました。
say a prayer for success で「成功を神に祈る」だとのこと。
for のあとに「祈りや願いの対象」がくるのですね。
この歌で、主人公の祈りの対象は「 someone I really could care for (私が真に愛することのできる誰か) 」ということになります。
主人公は「真に愛することのできる人が現れますように」と祈っていた。
その祈りをブルームーンは聞いていた、ということですね。
hear ... ~ing は「... が~するのを聞く」です。
ところで・・・
この解説では、文の意味を理解しやすいように、文法的に一文であるものを一行で表記してあります。
でも、よく見かける歌詞の表記はそうではありません。
You knew just what I was there for
You heard me saying a prayer for
Someone I really could care for
・・・となっていたりします。
文法的には二つの文であるものが、3行で表記されていますね。
これは決して誤りではありません。
この3行、全て最後が for ですね。
揃えてあるのです。
そして、これらの for は全部、メロディーの長い部分(のばす部分)に当てられているのです。
歌詞はやっぱり「詞・詩・歌」ですから、こういった要素も含まれていて、それがまた醍醐味なのです。
ただ、それに引っ張られると、正確な意味の理解が難しくなってしまうことも。
なので、私の解説ではあえて「文法的に一文であるものを一行で表記する」という形を取っています。
これを理解していただくと、歌詞の世界をより楽しめるのではないかなあ、と思っています。
脱線しました。
先へ行きましょう。
【 And then there suddenly appeared before me the only one my arms will ever hold 】
長い文なので、骨格だけを抜き出してみましょう。
「there appeared the only one 」・・・これが骨格です。
「唯一の人が現れた」ですね。
ついについに、主人公が願っていたオンリーワンが出現した! というワケです。
(「there appeared ~」は 「there is ~」と同じように考えるとよいのです。)
この骨格に、and then(そして)、suddenly(突然)、before me(私の前に)などが加わっています。
my arms will ever hold の前には関係代名詞 whom または that が省略されています。
the only one (whom) my arms will ever hold で「私の腕が永遠に抱くであろう唯一の人」ということになります。
【 I heard somebody whisper please adore me 】
I heard somebody whisper は「私は誰かがささやくのを聞きました」。
ささやきの内容が please adore me 「私を愛してください」です。
【 And when I looked, the moon had turned to gold 】
そして私が目を向けると、月は金色に変わりました・・・う~ん、わかりやすいというか、単純というか。。。
【 Blue Moon 】
ねえ、ブルームーン!
ここには幸せな「!」がつく、そんな感じですね。
【 Now I'm no longer alone without a dream in my heart, without a love of my own 】
私はもう独りじゃない!
心に夢もなく・・・じゃない!
愛する人が・・・いるのよ!
最初の方に出てきた文がちょっと変化しただけの形なのですが、とても効果的だなあ、と思います。
以上を踏まえて和訳です。
ねえブルームーン
あなたは見てたわよね
独りで立ってる私を
心に夢もなく 愛もない私を
ねえブルームーン
あなたは知っていたわよね
私が何を探し求めていたのか
私の祈りを聞いていたわよね
真に愛する人を求める祈りを
そして・・・
突然私の前に現れたのよ
ただ一人の人が
私はその人を永遠に抱きしめるわ
その人は「僕を愛してください」とささやいたの
そして・・・
見上げたら月は金色になってた
ねえブルームーン!
私はもう一人じゃないわ!
心には夢がある!
私には愛する人がいるのよ!
いかがでしょう。
参考になりましたら幸いです。
/// Words by Lorentz Hart ///
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