「武士の献立」観ました。
たまたまアマゾンプライムで見かけて。
じわっと沁みるいい映画でした。
「良作」とはこういう作品のことだよなあ、と思います。
舟木伝内・安信親子は実在の人物だそうです。
主人公の春は架空の人物だと思うけど。
時代と絡めてうまいお話にするなあ、と感心します。
といっても、私は歴史オンチ。
時代背景は映画を観たあとで調べました。
「加賀騒動」って、何だかすごく有名らしいですねえ。
知らなくてお恥ずかしい限りです・・・。
あ、歴史背景知らなくても十分楽しめますのでご心配なく。
とはいえ、2回目に観た時は「ふむふむ、なるほどぉ」の連続。
お貞の方と大槻の間にあるものは何?と感じさせる演出。
大槻が「財政の引き締め」を進めている人物だとわかるセリフ。
もともと時代背景を知って観ている人にとっては最初からピンとくるのだろうけど。
「脂ののった戻り鰹」最高!
まったくこのお姑さんは(笑)
それを聞いた春の表情も最高!
安信は春のことを「なつ殿」だし(笑)
これはコメディになるのかな?
・・・と思ったら、なかなか重い展開に・・・。
安信の「包丁侍」に対する屈折がすごく伝わってくる。
兄が急死して「代わりをやれ」って命令されて。
その上、好きな相手と一緒になれなくて。
親が勝手に嫁を決めちゃうし。
でもすっごくいいヤツだ。
春との勝負では潔く負けを認めるし。
鶏を逃がそうとするし。
そんな安信がお家騒動に巻き込まれていく。
20代前半、まだまだ理想を追い求める年頃だよねえ・・・。
春が真如院(お貞の方)に会いに行く場面が素晴らしい。
料理が美しい・・・。
「愛されているのだな」に「はい」と嘘で答える春が切ない・・・。
真如院の言葉の数々が沁みる・・・。
暗殺計画に加わろうとする安信の刀を持って逃げる春。
春の思いも理解できるし、安信の絶望の深さも迫ってくる。
どうにもこうにも辛い場面が続くなあ・・・。
食材を求めて夫婦で能登へ。
暗い色調の映像がキレイだ・・・。
饗応の宴の当日。
采配をふるう安信、カッコイイ!
調理の場面の迫力がスゴイ!
そして出来上がって供される豪華な料理の数々。
たっぷりと楽しませていただきました♪
ここまで来ると、ストーリーの方はもう展開が読める状況。
絶対に悪い終わり方にはならない、と信頼して観ることができました。
それでもやっぱり泣いちゃいましたが(笑)
たまたまのご縁で観た映画でしたが拾い物でした。
お勧めです。ぜひ(^^)