「黒いオルフェ」観ました。
フランス語版もあるらしいのだけど、私が観たのはポルトガル語版です。
ギリシア神話を基にした戯曲を映画化したものだとのこと。
ギリシア神話に詳しくない私には、理解が追いつかない面もあって。
何かしら読み誤りをしているのかもなあ、という気もしつつ書いてます。
「対比」が強烈だなあ、という印象です。
生と死、表と裏、光と影・・・などなど。
生命力にあふれるサンバのリズムや踊りの中に見え隠れする死の影。
リオデジャネイロの都心の風景と、丘の上の貧しい人々の暮らしぶり。
カーニバルの喧噪の裏で、連行される人々や怪我人の数々。
光に満ちた祭りの場から少し離れると、そこは闇の中。
それらの対比が、全編を通じて緊張感を生んでいて、目が離せなくなります。
「死の影」は最初からつきまとっています。
カーニバルの前日に従姉妹を訪ねてきたユリディスですが、実は祭り見物が目的ではなくて。
誰かに追われている、殺される、逃げてきた、というのです。
その謎の男は、その夜、姿を現わします。
ま、普通に考えれば、ユリディスに惚れた男、つまりストーカーでしょ、なのですけど。
でもすぐに、そうではない、とわかります。
助けに来たオルフェに「彼女はお前に預ける、自分は急がない、いずれ自分のものになる」みたいなことを言うのです。
この男が求めているのはユリディスの愛ではない、ということ。
他の男のものになっても構わない、自分の目的はそこではない、ということ。
これは、もしかして、死神みたいなもの?
もしかしたら「定められた運命」みたいなもの?
だとしたら、二人の恋は、定められた運命の中で一瞬開いたあだ花みたいなものなの?
いや、それどころか、この恋がユリディスの死への道筋を描くものになった、とも言えるよね?
死神からしてみれば、ついでにオルフェもゲット! みたいな感じ?
何だかワケのわからないことを書いてしまいましたが、要するに「悲劇」なのです。
ついでに言えば、音楽に彩られた悲劇、ってことかな。
音楽が素晴らしいです。
担当しているのはアントニオ・カルロス・ジョビンとルイス・ボンファ。
実は私、ジャズやボサノバが大好きで。
下手くそですが、歌とフルートをやってます。
このところ、アルトフルートで名曲「 Black Orpheus(カーニバルの朝)」を練習してます。
で、「そもそも映画を観てないなあ」ということで、観てみた次第。
・・・と、ここまで書いたところで、アマゾンミュージックを検索してみたら、ありました!
黒いオルフェのサウンドトラック。
これからゆっくりと聴きます♪
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