今日の歌詞解説は You And The Night And The Music (あなたと夜と音楽と)です。
ヴァースから解説します。
早速いきましょう。
(Verse)
【 Song is in the air, telling us romance is ours to share 】
song is in the air は「歌が空気の中にある」。
そのまま訳すと妙な日本語になってしまいますね。
air は単純に「空気」ではなくて「雰囲気、気配」なのかもしれません。
うまく訳せないけど、わかるでしょ? という感じです。
telling は tell の現在分詞です。
この文は「分詞構文」という形になっています。
song is in the air が文の中心部分なのですが、そこに状況の説明を加えているのです。
場合によって「~しながら」と訳されたり、「~して、そして」と訳されたりします。
ここでは、「歌の気配が漂って、私たちに~を知らせている」という感じでしょうか。
tell している内容が romance is ours to share です。
これがまた難しいですねえ。
romance is ours は「恋が私たちのものである」。
to share は不定詞で、形容詞的に ours を修飾しています。
ours to share を無理に訳せば「分かち合うべき私たちのもの」ということになりますね。
【 Now at last we've found one another alone 】
「今ようやく私たちはお互いに孤独なのだと知った」ですね。
now at last がどういう状況を言っているのかは、よくわからないです。
それまでもお互い知人だったのかもしれません。
それが何かのきっかけでお互いに孤独なのだと知った。
そして恋が始まる気配を感じた ( = song is in the air )、ということなのかな? という気がします。
【 Love like yours and mine has the thrilling glow of sparkling wine 】
love like yours and mine は正確には「あなたの恋や私の恋と同様の恋」。
thrilling は「ぞくぞくさせる、スリル満点の、震える、スリリングな」。
全体で「あなたや私みたいな恋は、スパークリングワインのスリリングな輝きを持っている」という意味になります。
【 Make the most of time ere it has flown 】
ere という見慣れない単語が出てきました。
before と同じ意味の古語だそうです。
ere it has flown で「それ(時間)が飛び去ってしまう前に」ですね。
make the most of ~ は「~をできるだけ利用する」。
この文は命令文だと思います。
恋の相手に「時間を大切にしてね、すぐに過ぎ去ってしまうのだから」とお願いしている、ということでしょう。
ここまでがヴァースです。
ではコーラスへいきましょう。
(Chorus)
【 You and the night and the music fill me with flaming desire, setting my being completely on fire 】
「あなたと夜と音楽が、私を燃え上がる欲望で満たして、私の命に完全に火をつける」ですね。
恋の始まりの頃に空気中に漂っていた歌は、今では主人公を満たす情熱的な音楽としてはっきりと現われている、というワケですね。
ヴァースの最初の文と同様、「分詞構文」の形になっています。
being は名詞で、「存在、人生、人間」。
set ~ on fire は「~に火をつける、~を興奮させる」。
【 You and the night and the music thrill me 】
「あなたと夜と音楽が、私をぞくぞくさせる」。
【 But will we be one after the night and the music are done? 】
「でも、夜と音楽が終わった後、私たちは一つなのだろうか?」ですね。
done は形容詞で、「済んだ、終了した、命運が尽きた」。
【 Until the pale light of dawning and daylight our hearts will be throbbing guitars 】
「夜明けの薄明かりまで、私たちの心臓はリズムを刻むギターでしょう」と言っています。
dawning は「夜明け」。
pale は「薄暗い、ぼんやりした、弱々しい」。
daylight は、ここでは「昼光、日光」ではなくて「夜明け」という意味かなあ、と思います。
dawning と daylight がどう違うのか・・・あまり深く考えなくてもいいかなあ、です。
英語を母語とする方々にとっては、何かしらニュアンスの違いがあるのかもしれませんが。
throb は「動悸をうつ、リズムを刻む、興奮して震える」。
throbbing という現在分詞となって guitars を修飾しています。
心臓はドキドキして、興奮して、震えて。
まるで楽器みたいに。
【 Morning may come without warning and take away the stars 】
「朝は予告なしにやって来て、星たちを運び去ってしまうかもしれない」。
【 If we must live for the moment, love till the moment is through 】
「もしも私たちがその瞬間だけを生きる定めならば、その瞬間が終わるまでは愛しなさい」という意味だと思います。
for the moment は「さしあたり、当座は」。
live for the moment で「先のことを気にせず、その場限りに生きる」といった意味になります。
ここでの must は、必然・運命(必ず~する)、当然の推定(~に違いない)といったニュアンスかなあ、と思います。
この夜が明けた後のことはわからない、今だけの関係で終わるのかもしれない、そうだとしても今この瞬間は愛してください、ということですね。
【 After the night and the music die, will I have you? 】
「夜と音楽が消えた後、私はあなたを持っているだろうか?」
have は、学校の英語の時間にも散々悩んだ単語ですよね。
ここでは「私にはあなたがいるのだろうか?」、「あなたはわたしのものなのだろうか?」、「私はあなたを手に入れているのだろうか?」といったニュアンスでしょう。
以上、参考になりましたら幸いです。
著作権の関係上、ここでは解説以上に踏み込んだ翻訳・和訳をすることはできません。
皆様それぞれに試みていただければ、と思います。
/// Words by Howard Dietz///
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