今日の歌詞解説は Stella By Starlight (星影のステラ)です。
早速いきましょう。
【 The song a robin sings through years of endless springs 】
「何年もの終わりのない春を通してコマドリが歌う歌」と言っていますが、これは文ではなくて名詞句です。
the song のあとに関係代名詞が省略されていて、a robin 以下が the song を修飾しています。
robin は「ヨーロッパコマドリ」だそうですが、日本人には馴染みがなくてイメージしにくいですよね。
「綺麗な声で鳴く鳥である」、「春のイメージと結びついている鳥である」といった程度の理解をしておくしかなさそうです。
years of endless springs とは大げさな表現ですが、「ず~っと春が続く楽園」のイメージなのかなあ、と思います。
・・・さっきから「イメージ」という言葉を多用していますが、この歌の歌詞は「理屈じゃなくて感性」みたいな面があるため。
みなさま、それぞれに世界を思い描いてみてくださいませ。
【 The murmur of a brook at even-tide that ripples by a nook where two lovers hide 】
中ほどの that は関係代名詞ですので、まずは that の前までを考えてみましょう。
「夕暮れの小川のさざめき」ですね。
日本語の「さざめき」よりは、もう少し静かな音かもしれません。
「は~るの小川はさらさら行くよ」の「さらさら」ぐらいな感じかも。
brook は「小川」、even-tide は「夕暮れ」です。
that 以下はこの「夕暮れの小川のさざめき」を修飾(説明)しています。
ripple は「さざなみが立つ、さらさら流れる」。
nook は「隅、引っ込んだ所、隠れ場所」。
by a nook で「隠れ場所のそばで」。
そのあとの where は関係副詞で、where two lovers hide が a nook を修飾しています。
「二人の恋人たちが隠れる隠れ場所」ですね。
全体で「恋人たちの隠れ場所のそばでさらさら流れる、夕暮れの小川のさざめき」という意味になります。
これも文ではなくて名詞句です。
【 A great symphonic theme, that's Stella by starlight and not a dream 】
これは文になっています。
「すばらしい交響曲の主題、それが星影のステラ、そしてそれは夢ではない」という意味です。
この文の前の二つの名詞句は、「すばらしい交響曲の主題」の具体例、例示だったのですね。
この歌は、星明かりにたたずむ女性ステラの姿を描写したものなのですが、それがあまりにも崇高で美しく、まるでシンフォニーのテーマのよう。
言葉で表現するには難しすぎるけれども、最初の二つの名詞句、「コマドリの歌」や「小川のざわめき」で何とか表現してみた、ということなのですね。
そして、それは想像の世界なのではない、夢なのではない、現実なのだ、と言っているのですね。
【 My heart and I agree she's everything on earth to me 】
My heart and I agree は「私の心と私は同意した」という意味です。
つまり、心から納得した、得心した、という感じでしょう。
同意の内容が she 以下です。
「彼女は私にとって地上の全てのものである」ですね。
この世の全て、すばらしい自然も何もかもが彼女の上に体現されている、というのです。
ステラ=世界、ということですね。
いやいや、何という壮大な歌詞でしょう。
この歌詞の内容を飲み込めるかどうかは、読む人それぞれの想像力、イメージの力にかかっている、といえそうです。
ところで・・・
この歌の歌詞には「女性が歌うバージョン」が存在します。
ステラは女性で、その女性を崇めているのは男性、ということですから、この歌は男性ボーカルが歌うのが基本です。
でも女性ボーカルが歌うこともあり、その時に歌詞が異なってくる場合があるのです。
最後の一文が変化しますので、それをご紹介しましょう。
【 She's all of these and more 】
「彼女はそれら全てであり、それ以上である」。
【 She's everything that you'd adore 】
「彼女はあなたが崇める全てのものである」。
つまり、ステラを崇拝する男性の姿を一歩引いて客観的に描写する、というスタンスになるのです。
私は、こちらの歌詞もいいなあ、と思います。
客観的なスタンスになる分、星明かりの中にたたずむステラの姿の美しさが純粋になる、という感じでしょうか。
以上、参考になりましたら幸いです。
著作権の関係上、ここでは解説以上に踏み込んだ翻訳・和訳をすることはできません。
皆様それぞれに試みていただければ、と思います。
/// Words by Ned Washington///
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