今日の歌詞解説は Sentimental Journey (センチメンタル・ジャーニー)です。
早速いきましょう。
【 Gonna take a sentimental journey 】
主語が省略されています。
主語はもちろん I です。
gonna は going to のくだけた言い方。
文をきちんと書き直してみると、I'm going to take a sentimental journey. ということになります。
あ、省略されているのは主語 I だけじゃなくて I'm でしたね。
私はセンチメンタルな旅をするつもりだ、ですね。
「旅をする」という意味で journey にくっつく動詞は take だったり make だったりします。
意味に違いがあるのかどうか。
私の英語力ではわからない・・・です(スミマセン)。
sentimental は「感傷的な」と訳されたりしますが、「センチメンタルな」でいいかなあ、と。
具体的にどんな気分なんだ? というのは、歌う人それぞれの感じ方でよいと思います。
(失恋の歌ではない、ということは押さえておく必要があると思いますが。)
【 Gonna set my heart at ease 】
at ease は「気楽に、くつろいで」。
be at ease 、feel at ease だと「安心する、落ち着く」。
苦しみや悩みや痛みがなく、気分が安定している状態を言うのだと思います。
set my heart at ease は「私の心をくつろがせる、落ち着かせる」ということですね。
【 Gonna make a sentimental journey to renew old memories 】
今度は動詞に make が使われていますね。
to renew old memories は「古い記憶を取り戻すために」ですね。
renew には「一新する、取り替える」という意味もありますが、ここでは「回復する、復活させる、取り戻す」という意味だと思います。
【 Got my bag 】
主語 I が省略されています。
「バッグは持った」ですね。
【 I got my reservation 】
「予約も取った」ですね。
【 Spent each dime I could afford 】
dime は「10セント硬貨」ですが、「わずかな金額、はした金」を意味することもあるようです。
dime の後に関係代名詞が省略されていて、I could afford が each dime を修飾しています。
afford は「費用を負担する経済力がある、金を割くことができる、~する余裕がある」。
文全体では、要するに、「有り金全部はたいたよ」と言ってるのですね。
every dime ではなくて each dime となってるのは、一枚一枚の硬貨をイメージさせるためではないかなあ、と思います。
主人公がお金持ちじゃない、ってことを示しているのですね。
有り金はたいて購入したのは、もちろん列車の切符です。
【 Like a child in wild anticipation, long to hear that " All aboard " 】
この文の本体は後半部分です。
( I )long to hear that " All aboard " で「(私は)あの『出発進行!』を聞きたいと待ちこがれている」。
All aboard は、乗客に対する呼びかけならば「皆さんお乗り下さい、発車します」ですし、乗務員の宣言だとしたら「全員乗りました、発車オーライ」ということになります。
前半部分は、本体部分への修飾、説明です。
「熱狂的な期待に満ちた子供のように」。
子供みたいにワクワクしちゃってるのですね。
【 Seven, that's the time we leave 】
「7時、それが我々が出発する時刻です」。
I ではなくて we になっているのは、たくさんの人をのせた列車が発車する、みんなが一斉に旅立つ、というイメージだと思います。
【 At seven, I'll be waitin' up for heaven, countin' every mile of railroad track that takes me back 】
wait up for ~ で「~を寝ないで待つ」です。
heaven は天国、楽園ですが、ここでは故郷のことを言っているのでしょう。
countin' 以下は「私を連れて帰る線路の全てのマイルを数えながら」ですね。
that は関係代名詞です。
今○○マイル、故郷まであと○○マイル、みたいに数えながら、もちろん寝ちゃうなんて事はなくて、だんだん故郷へ近づいていく・・・7時になれば、それがスタートするのです。
【 Never thought my heart could be so yearny 】
yearny という単語は、手持ちの辞書には載っていなかったです。
yearn という動詞がくだけた形で形容詞化したものだと思います。
この歌は、くだけた言い回しが多いです。
主人公のキャラクターがよく表現されていると思います。
洗練された都会の出身ではない、ということですね。
yearn は「憧れる、懐かしく思う、切望する」ですから、yearny は「何だかやたらと懐かしくなる気分」という感じでしょう。
文全体で「私の心がこんなに yearny になるなんて、考えもしなかった」という意味です。
故郷を出る時には、「猛烈に懐かしくなって帰りたくなる」なんて気分になる自分を想像するはずもなく・・・そんなものですよねえ。
【 Why did I decide to roam? 】
「なぜ私は放浪しようなんて思ったんだろう?」。
ここまで読んでくると、「sentimental」がどんな感じか、わかる気がしてきますよね。
「感傷的な」という日本語が連想させがちな「失恋による傷心」ではないことがはっきりとわかります。
【 Gotta take this sentimental journey, sentimental journey home 】
この文の動詞 take の前にあるのは gonna ではなく gotta です。
gotta は got to のくだけた言い方。
have to ~ と同様の意味で、I gotta go なら「私は行かなくてはならない」です。
この歌の最後の文は「私はこのセンチメンタルな旅に出なくてはならないのだ」ということになりますね。
必然的、というか「否応なしに突き動かされる感じ」でしょうか。
最後に sentimental journey home と言っています。
実は、ここまで読んで初めて、この旅が「故郷への旅」であることがわかります。
そして最初に戻って読んでみると、なるほどねえ、と理解できる、そんな構成になっているのですね。
以上、参考になりましたら幸いです。
著作権の関係上、ここでは解説以上に踏み込んだ翻訳・和訳をすることはできません。
皆様それぞれに試みていただければ、と思います。
/// Words by Bud Green///
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