今日の歌詞解説は I Can't Give You Anything But Love です。
「捧げるは愛のみ」または「捧ぐるは愛のみ」という邦題が定着していますね。
早速いきましょう。
【 I can't give you anything but love, baby 】
but は「~を除いて」という意味の前置詞です。
anything but love で「愛以外の何か」。
それを君にあげることが出来ない、というのです。
つまり、「僕は君に愛以外に何もあげられるものがないんだよ」ということですね。
baby は解説の必要ないかも、ですが・・・
もちろん基本の意味は「赤ちゃん」。
赤ちゃん以外に使うときは「大切な人、かわいい人」ってことになりますね。
【 That's the only thing I've plenty of, baby 】
that は前の文に出てきた love のこと。
thing の後に関係代名詞が省略されています。
「それが僕がたっぷりと持っているたった一つのものなんだよ、ベイビー」。
あげられるものは愛しかないけど、愛ならたっぷりとあるんだよ! ってことですね。
【 Dream awhile 】
「ちょっと夢見てごらん」。
命令文です。
awhile は「ちょっと、しばらく」という意味の副詞です。
【 Scheme awhile 】
なぜここに scheme という動詞が来ているかというと、dream と韻を踏ませたかったからだと思います。
意味はそれほど深く考えなくてもよいのかな、と思います。
scheme は「計画する、企む」という意味ですよね。
ここでは「思い描いてみてごらん」といった感じに捉えておけばよいのではないでしょうか。
【 We're sure to find happiness and, I guess, all those things you've always pined for 】
ちょっと長い文で一見わかりにくいのですが、実はそうでもないのです。
間に挿入されている I guess は「僕は~だと思う」という意味。
あまり深く考える必要はなくて、調子を整えるために挿入されているのだと理解しておけばよいと思います。
「思うに」、「思うんだけど」ぐらいのニュアンスです。
We're sure to find ~ は「僕たちはきっと~を見つけるよ」ということ。
(この部分は You're sure to find ~ と歌われているものも多いです。)
何を見つけるのかというと、happiness と all those things you've always pined for 。
happiness は解説の必要なし、「幸せ」ですね。
all those things の後に関係代名詞が省略されています。
pine for ~ は「~を思いこがれる、切望する」です。
all those things you've always pined for 全体で「君がずっと切望してきた全てのいろんなもの」ですね。
この文は意味的には前の二つの命令文と繋がっていて、「~してみて、~してみて、そしたらきっと~だから」というニュアンスです。
【 Gee, I'd like to see you looking swell, baby 】
「ああ、僕は君が swell な様子であるのを見たいんだよ」と言っていますが・・・。
この文の理解のポイントは swell という形容詞だと思います。
swell という単語には「膨らむ、膨張する」というイメージがありますが、ここでは「素敵な、洒落た、粋な」という意味だと思います。
「僕は君がオシャレにキメてるところを見たいんだよ」といった感じでしょうか。
主人公は本当は恋人に素敵なプレゼントをしたい。
アクセサリーとか洋服とか靴とか。
でも貧乏でお金がなくて、それが出来ない。
あげられるのは愛だけ。
でも本当は、やっぱり宝石なんかをプレゼントしてみたい、それが本音。
・・・なのだと思います。
【 Diamond bracelets Woolworth doesn't sell, baby 】
Woolworth は、この歌が作られた頃にアメリカにあったお店の名前のようです。
高級デパートとかではなくて、庶民のお店のようです。
この歌の主人公が日頃買い物をするようなお店、ってこと。
「ベイビー、ダイヤモンドのブレスレットはウールワースには売ってないんだよ」ってことですね。
【 Till that lucky day, you know darned well, baby, I can't give you anything but love 】
Till that lucky day は「そんなラッキーな日が来るまでは」。
恋人に素敵なプレゼントが出来るような日、ってことですね。
「ラッキーな」というところが微妙です。
そんな日が来るかどうかはわからない、運次第、というニュアンスですねえ。
darned は「まったく、全くもって」。
you know darned well で「君にはわかりきったことだろうけど」という感じですね。
で、最後に再び I can't give you anything but love です。
以上、参考になりましたら幸いです。
著作権の関係上、ここでは解説以上に踏み込んだ翻訳・和訳をすることはできません。
皆様それぞれに試みていただければ、と思います。
///Words by Dorothy Fields///
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