成見和子のブログ

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ジャズ歌詞解説 ~I'm In The Mood For Love~

今日の歌詞解説は I'm In The Mood For Love です。

「恋の気分で」という邦題で知られていますね。

早速いきましょう。

 

【 I'm in the mood for love simply because you're near me 】

「あなたが私のそばにいる、単純にそれだけで私は恋の気分だ」ですね。

文法的に特に難しいところはない文です。

 

【 Funny, but when you're near me I'm in the mood for love 】

「不思議だ、でもあなたがそばにいると私は恋の気分になる」。

funny は「おもしろい、愉快な」という意味もありますが、ここでは「奇妙な、不思議な」という意味でしょう。

「自分では説明がつかない」というニュアンスだろうな、と思います。

それが恋、ってことですよね。

but は「しかし」という強い意味ではなく、軽い意味で使われているのだと思います。

日本語の「でも」も、軽い意味で使われることがよくありますよね。

 

【 Heaven is in your eyes bright as the stars we're under 】

bright 以下全部が eyes を修飾しています。

we're の前には関係代名詞 that が省略されています。

文全体の意味は「私たちは星の下にいて、その星たちみたいにあなたの眼は明るく輝いていて、その輝く眼の中には天国がある」ということになります。

もう少しわかりやすく言うと「私たちの上にある星たちのように明るく輝くあなたの目の中に天国がある」といった感じでしょうか。

うーん、どっちがわかりやすいか、わからないですね。

日本語と英語の違いに悩まされる典型的な例です。

 

【 Oh!  Is it any wonder I'm in the mood for love? 】

I'm の前に that が省略されています。

it は形式主語、that 以下が実質的な主語です。

is it any wonder that ~ ? で「~ということは、何か驚異ですか?(いや、驚くことじゃない)」です。

疑問文の形を取った反語的表現です。

こんなにも素晴らしいあなたと一緒にいたら私が恋の気分になるのも無理はない、当然なんだ、驚きなんかじゃない、と言っているのです。

 

【 Why stop to think of whether this little dream might fade? 】

少々意味が取りにくい、難しい文ですね。

「why + 動詞の原形」で「相手の言ったことに対して異議を申し立てる時に使う」という用法があるのですが、これがそうだと思います。

why stop to think of ~ ? で「なぜ立ち止まって~について考えるのか?(そんなことしないで欲しい)」という意味になります。

ここでの stop は「~するのをやめる」ではありません。

「~するのをやめる」の場合は必ず「 stop ~ing 」という形になりますので。

smoke という動詞を例にあげると、stop smoking なら「タバコをやめる」、stop to smoke なら「立ち止まって一服する」です。

whether 以下は「この小さな夢が消えてしまうかもしれないのかどうか」。

何だか回りくどい日本語になってしまいました。

might「~かもしれない」と whether「~かどうか」が同じ文の中に存在するため、マジメに訳すと冗長になってしまうのですねえ。

文全体で「なぜ立ち止まって考えたりするの? この小さな夢は消えてしまうのかも、どうなんだろう、なんてこと。今はそんなこと考えないで。」という感じに捉えておけばよいと思います。

 

【 We've put our hearts together 】

「私たちは心を合わせた」ですね。

 

【 Now we're one 】

「今私たちはひとつだ」。

 

【 I'm not afraid! 】

「私は恐れていない!」。

 

【 If there's a cloud above, if it should rain we'll let it 】

「もしも空に雲がかかるなら、もしも雨が降るというなら、降らせよう」という意味だと思います。

文末の it のあとに動詞が省略されています。

二つの if ~ があるので、省略されている動詞は何かな?と気になるところですが、ここは rain かなあ、と思います。

if it should rain we'll let it がメインの文で、if there's a cloud above は「前置き」みたいなものかなあ、という気がします。

「if + 主語 + should + 原形不定詞」の形は、未来の可能性が低い仮定を表します。

「雨が降るなんてこと、ないと思うけど、もしも万一降ったとしたら」というニュアンスでしょう。

 

【 But for tonight, forget it ! 】

「でも今夜はそんなこと忘れて!」ですね。

for という前置詞が使われています。

「~の間は」という「時間」を表しているのだと思います。

「今夜という時間、その間は」ということですね。

 

【 I'm in the mood for love 】

「私は恋の気分なのです」。

 

以上、参考になりましたら幸いです。

著作権の関係上、ここでは解説以上に踏み込んだ翻訳・和訳をすることはできません。

皆様それぞれに試みていただければ、と思います。

/// Words by Dorothy Fields///

 

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