成見和子のブログ

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ジャズ歌詞解説 ~Come Rain Or Come Shine~

今日の歌詞解説は Come Rain Or Come Shine (降っても晴れても)です。

早速いきましょう。

 

【 I'm gonna love you like nobody's loved you come rain or come shine 】

「僕は君を愛するよ、これまで誰もしなかったみたいに、どんなことがあっても」という意味です。

gonna は 「going to の短縮形である」と説明されることもあるようですが、「くだけた話し言葉では going to が gonna と発音されることが多い」という理解が正しいようです。

その発音をそのまま綴りにして書いたものが「gonna」だというワケです。

I'm gonna ~ ( I'm going to ~ )は、ここでは「~するつもりである」という意味です。

「主人公の意図」を表しています。

nobody's loved you は nobody has loved you 、現在完了形です。

「過去から現在まで誰もしたことがない、そんな愛し方で」ということですね。

come rain or come shine は「晴雨を問わず、降っても照っても、どんなことがあっても」。

辞書に載っている慣用句ですから、定着した言い回しだということ。

これを文法的にどうのこうのと言う必要はないかなあ、と思います。

パターンは他にも様々あるようです。

come rain, come shine 、 come rain or shine など。

もっと簡単に rain or shine とも言うようで、この形はこの歌の最後に出てきます。

 

【 High as a mountain and deep as a river come rain or come shine 】

冒頭に I'm gonna love you が省略されているのだと思います。

あるいは、前の文に続けて説明を加えているのだと考えることもできそうです。

「山のように高く、川のように深く、降っても晴れても」ですね。

 

【 I guess when you met me it was just one of those things 】

「君が僕に会った時、それはよくある事の一つでしかなかったのだと思う」。

one of those things は「よくあること」。

「だから仕方がなかったのだ」、「だから驚くようなことじゃない」という文脈で使われることが多いようですが、ここではそういったニュアンスは含まれていないと思います。

単純に「よくある男女間の出会い」のことを言っているように思います。

when I met you ではなく when you met me となっているところは案外重要なのでは、という気がします。

「よくあること」だと感じたのは、主人公の側ではなく相手の側なのだ、と言っている気がするのです。

「君は僕たちの出会いをありふれたものだと思ったのだろう。僕はそう推測するよ。でも僕は違ったんだよ、最初から。」というニュアンスを含んでいるように感じます。

深読み、もしかしたら誤読かもしれませんが。

 

【 But don't ever bet me 'cause I'm gonna be true if you let me 】

「でも賭けたりしないで、僕はずっと誠実でいるから、君がそう望んでくれるなら」と言っていますが・・・この文で難しいのは bet という動詞ですよね。

なぜ難しいのかというと、bet の具体的な内容が示されていないから。

どちらに賭ける、とか。

いくら賭ける、とか。

そういったことが明示されていませんから、文脈から読み取るしかありません。

相手は主人公とのことを「よくあること」だと考えています。

続くかどうかわからない、裏切られるかもしれない、きっとまた終わりが来るのよね、みたいに。

いわば「賭け」みたいなもの。

「この恋が続くかどうか、あなたと賭けをしましょうか?(きっと続かないわよ)」とでも言いたい気分でしょう。

でも主人公は「それは違う」と言いたいのですね。

「自分は誠実である、ずっと変わらない、君がそれを望んでくれるならば。だから賭けなんかじゃない」ってことですね。

true という単語も難しいです。

「真実の、本物の、誠実な、変わらない、確かな・・・」いろいろと考えられます。

if you let me は「君が僕にそうさせてくれるならば」。

仮定の話をしている、というよりは「そうさせて欲しい」と願っている感じだと思います。

 

【 You're gonna love me like nobody's loved me come rain or come shine 】

「君も僕を愛することになるよ、これまで誰もしなかったみたいに、降っても晴れても」。

最初の文の「僕」と「君」が入れ替わった形になっています。

ただ、be gonna ~ (be going to ~ ) のニュアンスは少々異なると思います。

主語が I の場合には「主語の意図」を表しますが、主語が you の場合には「主観的な判断、話し手の見込みや確信」を表すことになります。

「君は僕を愛することになりそうだ」、「きっと君は僕を愛するようになる」といった感じでしょうか。

 

【 Happy together, unhappy together and won't it be fine? 】

「幸せも一緒に、不幸せも一緒に。素晴らしいことだよね」という感じでしょうか。

主語や動詞が省略されているのだと思います。

復元すると we will be happy together, we will be unhappy together といったことになるでしょう。

won't it be fine? は疑問文で、「それは素晴らしいことではありませんか?」ですが、もちろん「yes」の答えを予期しています。

日本語で言えば「すごくない?(すごいよね)」みたいな感じですね。

 

【 Days may be cloudy or sunny 】

「日々は曇りかもしれないし晴れかもしれない」。

曇る日もあるだろう、晴れる日もあるだろう、ってことですね。

 

【 We're in or we're out of the money 】

省略された部分があるので、補って復元すると We're in the money or we're out of the money となります。

この文も実は難しいです。

素直に読めば「僕たちはお金がある、あるいはお金がない」つまり「お金がある時もあれば、ない時もある」ということになりそうですが・・・。

「お金に困って」は、通常「 out of money 」です。

「 out of the money 」とはなりません。

辞書によると、out of the money には「(競馬・ドッグレースなどで)入賞できないで」という意味があるようです。

でも、この歌の文脈には何だか合わないですよね。

一方、in the money の方は「(競馬・ドッグレースなどで)入賞して」という意味の他に「金持ちで、裕福で、成功して」という意味にも使われるようです。

ここは、「お金に困らない時もあれば、困る時もあるかもしれない」という意味に取りたいと思います。

もしかしたら間違っているのかもしれませんが。

 

【 But I'm with you always 】

「でも僕はいつも君と共にいる」。

 

【 I'm with you rain or shine! 】

「降っても晴れても僕は君と共にいる」。

最初の文のところで書いたとおり、rain or shine は「晴雨を問わず、どんなことがあっても」です。

 

以上、参考になりましたら幸いです。

著作権の関係上、ここでは解説以上に踏み込んだ翻訳・和訳をすることはできません。

皆様それぞれに試みていただければ、と思います。

/// Words by Johnny Mercer///

 

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