とある週末、漫画「海月姫」全17巻を久しぶりに一気読み。
そしたら映画も観てみたくなりまして。
(映画は初めてでした。)
いやいや、楽しかったです。
以下、原作と映画の比較を中心に、感想などをメモしておきます。
原作17巻をどうやって2時間に? という問題がキレイにクリアされててビックリ。
「メインのストーリーは途中までを採用して、サブのストーリーは全体の趣旨を圧縮して入れ込む」という形になってました。
主人公たちが初めてのファッションショーを開催するところまでで映画は終わり。
漫画では5巻までのストーリーです。
漫画ではその後もいろいろ、いろいろ・・・と続いて行くのだけれど、映画では「この先も続いて行くんだよねえ」と思わせて終了。
月海と修の恋模様は、原作では終盤まで引っ張られるけれど、映画では決着させてます。
そして「修の恋は実らないけれど、月海や蔵之介のことを理解し、側面から彼らをサポートして行く」という趣旨はきちんと表現されています。
【漫画】「プロポーズを断られて落ち込みながらもショーの会場を見つけて来る」
↓↓↓
【映画】「自ら悟って身を引き、天水館取り壊しを阻止する」
・・・という具合。
端折っている、といえばそうなのだけど、修のズレたキャラクターが形を変えて再現されているので違和感がないです。
原作でかなりのページが使われている「クラゲの指輪」のエピソードは、映画では「クラゲの巨大ぬいぐるみ」の短いシーンに凝縮されてる、という具合。
サブストーリーのひとつ「天水館取り壊しの危機」も、原作では紆余曲折の展開となっていくのだけれど、映画ではスッキリとまとめられています。
再開発デベロッパーの社員・稲荷のキャラクターと行動は大いに生かしつつ、最後はアッサリと修の爆弾発言で決着。
そうそう、この場面での修の行動は、「重要なサブストーリー二つを同時に終結させる」という意味合いがあるのですよねえ。
省エネ展開、とも言えるのだけど、上手く作ってるなあ、という感じ。
ここまで、ちょっと理屈っぽいことを書いて来ましたけど、この映画の一番いいところは、それはもう、俳優さんたち。
原作からキャラクターたちが飛び出して生身の人間になってドタバタを繰り広げる、映画の楽しさってこれだよねえ~! なのです。
女装の蔵之介のカッコイイこと! 菅田将暉すげー!
月海のビフォーアフター、お見事! 能年玲奈カワイイ!
イケメンだけど気の毒キャラの修・・・長谷川博己サイコー!
他のキャラクターたちも、もう、楽しくて。
どの役も、これ以外のキャストはあり得ない、というぐらいハマッてます。
続編が見たいなあ・・・なんてことを考えてしまいます。
でも、ないのでしょうねえ。
重要なサブストーリーが解決しちゃってますし。
こういう形を取る、ということは、これで完結させる、続きを作ることは全く想定していない、ってことなのでしょう。
原作読んだ人も読んでない人も楽しめる映画だと思います(^^)