成見和子のブログ

日々雑感、ジャズ歌詞、映画、読書。

海月姫(映画・2014年)【ネタバレ注意】

とある週末、漫画「海月姫」全17巻を久しぶりに一気読み。

そしたら映画も観てみたくなりまして。

(映画は初めてでした。)

いやいや、楽しかったです。

以下、原作と映画の比較を中心に、感想などをメモしておきます。

 

原作17巻をどうやって2時間に? という問題がキレイにクリアされててビックリ。

「メインのストーリーは途中までを採用して、サブのストーリーは全体の趣旨を圧縮して入れ込む」という形になってました。

主人公たちが初めてのファッションショーを開催するところまでで映画は終わり。

漫画では5巻までのストーリーです。

漫画ではその後もいろいろ、いろいろ・・・と続いて行くのだけれど、映画では「この先も続いて行くんだよねえ」と思わせて終了。

月海と修の恋模様は、原作では終盤まで引っ張られるけれど、映画では決着させてます。

そして「修の恋は実らないけれど、月海や蔵之介のことを理解し、側面から彼らをサポートして行く」という趣旨はきちんと表現されています。

【漫画】「プロポーズを断られて落ち込みながらもショーの会場を見つけて来る」

↓↓↓

【映画】「自ら悟って身を引き、天水館取り壊しを阻止する」

・・・という具合。

端折っている、といえばそうなのだけど、修のズレたキャラクターが形を変えて再現されているので違和感がないです。

原作でかなりのページが使われている「クラゲの指輪」のエピソードは、映画では「クラゲの巨大ぬいぐるみ」の短いシーンに凝縮されてる、という具合。

 

サブストーリーのひとつ「天水館取り壊しの危機」も、原作では紆余曲折の展開となっていくのだけれど、映画ではスッキリとまとめられています。

再開発デベロッパーの社員・稲荷のキャラクターと行動は大いに生かしつつ、最後はアッサリと修の爆弾発言で決着。

そうそう、この場面での修の行動は、「重要なサブストーリー二つを同時に終結させる」という意味合いがあるのですよねえ。

省エネ展開、とも言えるのだけど、上手く作ってるなあ、という感じ。

 

ここまで、ちょっと理屈っぽいことを書いて来ましたけど、この映画の一番いいところは、それはもう、俳優さんたち。

原作からキャラクターたちが飛び出して生身の人間になってドタバタを繰り広げる、映画の楽しさってこれだよねえ~! なのです。

女装の蔵之介のカッコイイこと! 菅田将暉すげー!

月海のビフォーアフター、お見事! 能年玲奈カワイイ!

イケメンだけど気の毒キャラの修・・・長谷川博己サイコー!

他のキャラクターたちも、もう、楽しくて。

どの役も、これ以外のキャストはあり得ない、というぐらいハマッてます。

 

続編が見たいなあ・・・なんてことを考えてしまいます。

でも、ないのでしょうねえ。

重要なサブストーリーが解決しちゃってますし。

こういう形を取る、ということは、これで完結させる、続きを作ることは全く想定していない、ってことなのでしょう。

 

原作読んだ人も読んでない人も楽しめる映画だと思います(^^)