「小さいおうち」観ました。
原作は未読です。
断片的ですが感想などをメモしておきます。
★遺品整理の場面。赤い屋根の家の絵が処分されてしまう。タキはこの絵が大切なものだと誰にも語っていなかったのだなあ・・・。
★健史の「女中奉公=苦労」という理解の仕方。こういう思い込み、私にもあるなあ。
★昭和10年。当時も「ローンで家を建てる」だったのかあ・・・。
★恭一をおぶって毎日治療院に通うと申し出るタキ。「お役に立てる!」という嬉しさがにじみ出てる。このあたりまでは本当に平和だ。
★時子に「私の脚をマッサージしてみて」と言われた時のタキの表情。黒木華が上手い。タキの戸惑いに気がつかない時子。いや、無意識で人を魅了する、ってことか。松たか子も上手い。
★健史の歴史認識と当時のタキの生活の実感のズレが面白い。この映画の見所のひとつだと思う。
★大好きな奥様と一緒に年末の大掃除。女中部屋へ戻って奥様からいただいたお下がりの着物を撫でるタキ。たぶんいちばん幸せだった頃。年が明けるとライバルが登場することになる。そして時代も次第に良くない方向へ。
★時子と板倉の距離が縮まる様子は丁寧に丁寧に描かれる。そのためか、二人の関係に嫌な感じはしない。(嫌!!という方もいらっしゃると思う、もちろん。なんと言ったって不貞なのだし。)
★健史の「三角関係!」。タキの「想像力が貧困だねえ」。まさにそのとおり。健史は「女が好きになるのは男」だと決めつけて疑わない。
★タキの縁談のエピソードは強烈。悪いけど笑ってしまった。いや、笑っちゃいけない。当時は実際にあったことなのだろう。
★板倉のところから帰って来た時子の帯を見て何が起こったかを知り、動揺するタキ。タキは板倉のことは嫌いではない、むしろ好きな人物のはずだが、「奪われた」と感じたことだろう。
★睦子との会話で自分の気持ちを認めるタキ。号泣するタキ。観ていて辛い。睦子から「絶対に内緒よ」と言われて、一生それを守ることになる、ってことだよね。タキの死後、健史はいろいろな事実を知ることになるけれど、この秘密には結局たどりつけなかった、ってことだよね・・・。
とてもいい映画だったと思います。
でも・・・原作の方が内容が濃いのでは? という気もします。
この映画だけを観て終わらせるか、原作を読んでみるか、迷うところですが・・・
やっぱり原作読んでみようと思います。
【2022年9月30日追記】
原作読みました♪
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