成見和子のブログ

日々雑感、ジャズ歌詞、映画、読書。

「ごきぶり」は夏の季語。

ごきぶり出ましたぁ~(泣)

我が家では滅多に出ないんだけど。

昨年は一度も見なかったと思う。

それなのに・・・。

私は料理はしないので、もちろん生ゴミ放置、なんてことはない。

それなのに、それなのに・・・。

でもまあ、仕方がないんだろうなあ。

集合住宅だし、自分のところだけ整えても、迷い込んで来ることもあるよねえ。

心臓バクバクしながら対決、何とかやっつけました。

もちろん薬剤をシューッ、です。

叩くなんて、そんな勇気ありません・・・。

一件落着した後、なぜか突然「ごきぶりは俳句の季語だったよね?」と思い出しました。

だったら、いい機会だし、ここで一句。

・・・な~んも思い浮かびませんでした(笑)

念のため確認です。

「俳句歳時記 夏 第五版 角川書店編」

(角川ソフィア文庫)

ありました、ありました。

ホントに季語になってました。

以下、引用です。

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【ごきぶり】油虫 御器囓(ごきかぶり)

台所などによく出てくる不快害虫。体は扁平で楕円形、褐色あるいは黒褐色が普通。長い髭(ひげ)を持ち、全体が油を塗ったように光っていることから油虫ともいう。走るのが速く、飛翔する。食物を選ばす、・・・以下省略。

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いやいや、的確な表現が並んでおります。

例句が載ってる。どれどれ。

 

髭の先までごきぶりでありにけり

行方克巳

うわあ、ホントにそのとおり。

油を塗ったように光ってるのは胴体部分だけじゃない。

髭の先まで、先の先まで油光りしてる。

それを「髭の先までごきぶりだっ!!」と言ってるワケ。

そう言ってるだけなんだけど、ものすごく「わかるっ!!」だよねえ。

誰でも作れそうな句のように見えて、実際にこんな句は絶対に作れないよなあ・・・。

歳時記に載ってるんだから、「名句」扱いなんだろうねえ。

 

あるはずのなき隙間へと油虫

土生重次

そうそう、なぜそこへ消える? なのですよね。

あるいは、なぜそこから現われる? なのですよね。

そんなところに通れる隙間なんてないだろう?

オマエの体は一体どうなってるんだ?

マジックか何かを使ってるのか?

それにしても「あるはずのなき隙間」はうまいなあ。

 

ゴキブリと知恵くらべして雨夜かな

鍵和田秞子

うわあ、今回はこんなことにならなくてよかった。

どうにもこうにも捕まらなくて、あのあたりにいる、とわかっているのに姿は見えず。

あれやこれやと試みるも、決着がつかないまま夜は更けて・・・

ありますよねえ、そんなこと。

 

それにしても、不快害虫も俳句にしてしまう感性。

日本人、日本文化はスゴイです・・・。