成見和子のブログ

日々雑感、ジャズ歌詞、映画、読書。

トップガン マーヴェリック【ネタバレ注意】

数年ぶりに映画館へ行きました。

「トップガン マーヴェリック」。

前作も観ていないし、特に興味はなかったのだけど、皆が「よかったよかった」と興奮してるので。

本当に良いのかどうか、確かめてやろうじゃないか、と。

・・・良かったです。全面的に認めます。

前日に前作をアマゾンプライムで観てから行きました。

この「予習」が効きました。

なので、今日のメモは「前作との比較」が中心。

いろいろあるけど2点に絞って。

 

前作の飛行シーンは「ただただ単純にカッコイイ」だった。

当時はとにかく刺激的だっただろうなあ。

当時観ていたとしたら、「すげー!!」と興奮したに違いない。

でも、それをそのまま現在に持ってきても通用しなかったと思う。

もちろん戦闘機も進化してるし、撮影技術も進化してる。

だから、前作よりも今作の飛行シーンが迫力に勝っているのはアタリマエ・・・

・・・ではないと思う。

注目すべきなのは「ストーリーに乗せた見せ方」なのではないか。

今作では、あらかじめ「カッコいいポイント」が示されている。

「どこに注目して飛行シーンを観るとオモシロイのか」というガイドが提供されているのだ。

今作では、「最初にミッションがあって、そのための訓練」という設定がされている。

(前作では、訓練の目的は「優秀なパイロットの養成」という抽象的なものだった。)

その説明が丁寧になされるから、実際の飛行シーンでの「見どころ」がわかる。

ここで裏返って、とか。

(裏返しになる必要性も説明される。)

ここで急上昇、かかるGは・・・とか。

(急上昇する必要性も説明される。)

「説明」は、当初は上層部からマーヴェリックに対するものであり、次にはマーヴェリックから訓練生に対するものである。

そして、それは同時に観客のためのものでもある。

段階を追っているから、海軍だの戦闘機だのに馴染みがない観客にも受け入れやすい。

そういう仕掛けになっている。

よく出来てるなあ。

でも、これが当てはまるのは途中まで。

予測不能の事態が次々と起こる展開になってからは、もう、そんなことはどうでもいい。

観る側は既に入り込んでしまっているから、「どこが面白い」なんていうガイドは不要。

前半で取り込んでしまえば、あとはジェットコースター、というワケ。

 

さて、ここからは恋のお話。

前作での恋愛の扱いは単純に「若きヒーローと美しい女性の絵になる恋愛」だった。

美男美女の恋物語は見ているだけで楽しい、という感じで、それほど深い意味はなかった、ってこと。

観る側は「いいもの見せてもらった」、「目の保養」といったところ。

でも、今作の相手役にはそれ以上の役割が与えられている。

主人公に様々な気づきをもたらし、背中を押してくれる存在。

最大のポイントは「子供のいる女性」だということ。

ルースターとの関係に悩む主人公に対して、示唆に富んだ言葉を与えてくれる。

「母娘の関係性が以前とは違う」ということに気づいた主人公が、それを口にして、それに対する彼女の答えがヒントになる、という場面は特に重要。

だから「以前付き合っていたけれど、いちど別れてから再会した」という設定が必要だったのだと思う。

訓練生たちが集う店のオーナーになっていて・・・というあたりはちょっとご都合主義な気もするけれど、これもやっぱり必要だったのだと思う。

ピアノを弾いて歌うルースター、それを見つめるマーヴェリック、それを見つめるペニー・・・のシーン。

主人公の複雑な感情と、それに気がつくペニー。

とても重要なシーンだけど、これは3人が同じ空間にいる、という状況が必要になる。

しかも、物語の早い段階で必要になるシーン。

だから、少々強引な設定でも許せる。

映画は、2時間にいろいろな要素を詰め込まなくちゃならないんだから。

 

それにしても・・・トム・クルーズかっこよすぎ。

1962年生まれ・・・信じられん。。。

 

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