電車に乗ると広告に目が行く。
老人ホームの広告が多いなあ。
新築らしいピッカピカの建物の写真。
にこやかな入居者と寄り添う職員。
あ、これはモデルさんだよね、もちろん。
隣にヘルパーさんの求人広告があったりする。
職員が集まらないままオープンしたんじゃないでしょうね? とツッコミを入れたくなる。(性格悪いよね)
「高齢者付添いサービス」みたいな広告もある。
外出に付き添ってくれるのだと。
これ、誤解を招きそう。
「病院内の付添いも可能」と書いてあったりするけど、「診察室には入らない」ということのはず。
つまり、「自分でドクターの話を聞いて自分で判断できる人」しか使えない、ということ。
診察室の前まで一緒に来てくれるけど、名前を呼ばれたら、そこから先は自分で対応する、ってこと。
診察室の中まで付添いが欲しい、というなら、やっぱり家族に頼むしかない。
忙しい家族にとって「あったらいいなあ」と思うのは、「病院の行き帰りを付添い、診察に同席して、ドクターの説明を正確に家族に伝えてくれるサービス」。
でも、これはムリだと思う。
自分が付添いのヘルパーさん側になったら? と考えたら、すぐにわかる。
ドクターの話はただでさえ難しい。
内容を理解するには、前提としてご本人の病状を把握しておくことが必要になる。
そんなの素人にはムリ。
ご本人を自宅へ送り届けて診察内容を家族に報告していて、ちょっとでも曖昧なところがあったりしたら、「きちんとやってくれない!」とクレームの嵐。
そんなアブナイ仕事、引き受けられるワケがない。
「介護離職は絶対ダメ、有料サービスを利用して乗り切って!」
「家族は自分の生活を犠牲にしてはならない、お金で解決できることはお金で!」
なんてことがよく言われるけど、そんな単純な話じゃない。
有料サービスの限界についての理解は行き渡っていないのだなあ、と思う。
【追記】
この記事を書いた後、気になっていろいろと調べてみました。
私が見かけた広告の事業者は「診察室の中までは対応しない」だったのですが、「診察室の中まで付き添います」という事業者もあるようです。
大丈夫なのかなあ? トラブルにならないんだろうか・・・。
それとも案外「助かりました! ありがとう! またお願いしますね!」になるのだろうか。
気になるところです。